FN78号
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11①たから、風や雨で実がとれてしまったのかもしれない。もしそうなら、梅雨明けころには全部の実がなくなるのではないかと心配になった。梅雨が明け、7月11日の観察で黒い実を見つけた。熟して黒くなった実は探しやすく、想像以上に実が見つかり、すべての実がとれていなかったことにほっとした。振り返ると、毎週観察へ行くのは手間がかかったり、天候が悪かったり、大変なことも多い。だけど、今では先週とは違ったところを探すことの楽しさが、大変という気持ちを上回っている。図鑑を見ただけではわからない生長の過程が、今回の観察を通して見えてきた。先週より実が大きくなったとか、色が微妙に変わったとか、毎週観察したからこそわかる違いは多い。今週はどこが違うだろうと考えながら何度も足を運ぶことが、私にとっての観察することであり、楽しみでもある。観察から感じる廣瀬はづ紀(社会学科2年)=文・写真葉の主脈の中央付近に、淡緑色の花をつけるのが特徴的。その見た目からハナイカダと名がつけられた。葉の中央に花や実をつける樹木、ハナイカダ。昨年、葉の上に小さな黒い実をつけているハナイカダを授業で見て、「この実のつきかたは何だろう?」と興味をもった。そこで今年の5月8日から本学附属図書館横のビオトープに毎週通い、ハナイカダの観察をすることにした。 5月8日、ハナイカダは小さな花を咲かせていた。ある図鑑には一枚の葉に一つの花をつけるのが一般的だとあったが、私が観察したハナイカダは一枚の葉に複数の花がまとまってついているものが多かった。 それから2週間後の5月22日にハナイカダに変化が現れ始めた。花が咲いているものはまだ多いが、花の下が膨らみ、実がなりつつあるものを見つけた。実の発見を嬉しく思い、葉をめくってみたり、ハナイカダの周りをまわってみたり、ほかの葉にも実がないかと探す。そんなことをしていたら、ふと、すべての花が実になっているわけではないことに気がついた。すべての花が実になるのを楽しみに観察に通っていたが、その後もそれらに実がなることはなかった。受粉しなかったからかなと残念に思う。6月も中旬に入り、今度はできた実が黒く熟すのはいつかと、観察を続ける。すると、6月21日に実のついている葉が減ったように感じた。よく見ると、葉の中央には花や実がついていた痕跡が黒い点で残っている。減っていたのは気のせいではなかったのだ。梅雨の時期に入ってい①ハナイカダの木(2013.7.27) ②ハナイカダの雌花(2013.5.22)③ハナイカダの実(2013.5.29) ④黒く熟した実 (2013.7.14)②③④

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