FN78号
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no. 78 Aug. 201316富士急行線 都留市駅から歩いて3分ほどのところに、赤いひさしが目印の「JEANS SHOP NEW YORK」がある。女性向けの服や小物が並ぶ店内は明るく、壁や床、服を置く棚も、木製のもので統一されている。服は店主の上うえはら原香かおり織さん(42)自身が、かわいい、着てみたいと思ったものを買い付けているそうだ。 そんなお店のなかで、ひときわ印象的なのが、レジカウンターの向かいに置かれた大きなソファーだ。大人2人がゆとりをもって座れるくらいのソファーが、でんと置いてある。座ってみると、ふかふかしていてとても座り心地がいい。 でも、服屋としたら、ソファーを置くよりも、もっと服を置くほうがいいのでは。そんな疑問を持った私は、どうしてお店に大きなソファーを置いているのか尋ねてみた。すると、香織さんは楽しそうに「インショップ(※)のような、お客さんがただ流れるように買い物をするだけのところじゃなくて、お客さんがゆっくりお喋りをしたり、くつろいでもらったりできるお店にしたいから」と語ってくださった。その言葉通り、お喋りを楽しむためにお店を訪れる人は少なくないようで、私がうかがったさいも、ソファーに座ってお喋りするお客さんを見かけた。「路面店って、お店のドアを開けるのに勇気がいるでしょ? でも、気負わずに、ちょっとお喋りに来るくらいの気持ちで来てほしい」と香織さんは語る。ソファーは香織さんの「お客さんとの繋がりを大事にしたい」という気持ちを表すものだったのだ。 ちょっとお喋りに、の感覚で服屋に行く。それは大型量販店でしか服を買ったことのなかった私にとって、とても新鮮な感覚だった。※大型店のなかにある独立した小型店のこと。 ショップ・イン・ショップの略。店内は季節に合わせこまめに模様替えされる赤いひさしは「JEANS SHOP NEW YORK」の目印ソファーはレジに立つ香織さんと話しやすい位置にある服屋さんのソファーのはなし金原由佳(社会学科1年)=文・写真
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