FN78号
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no. 78 Aug. 201324ほたるに集まるものたち別符沙都樹(国文学科2年)=文・写真山のなかのお店6月15日、昼過ぎに「ほたるうどん」がある小形山へ向かう。進めば進むほど山の奥に入っていき、本当にこの道であっているのだろうかと不安になる。民家が立ち並ぶ十字路を何度か曲がると、「ほたるうどん」の小さな看板がいくつも道に掛かっているのに気づいた。どうやらこの道で合っているらしい。民家を抜けてしばらく進むと、高川沿いの少し開けたところに、小さなお店がある。ここが「ほたるうどん」のようだ。 入り口には手作りの木の看板が立っていて、「手打ちうどん ほたる」と書かれている。何人もの人に「ほたるうどん」と聞いていたが、それは愛称で、どうやら正しくは「ほたる」という店名らしい。お店のそとに下駄箱があり、靴を脱いでから入る。店内に入ると、向かいの壁に飾ってあるたくさんの写真が真っ先に目に飛び込んできた。すごい数だなあと思いながら座敷に上がる。右手側が厨房で、長机が4つ並んでいる。ちょうどお店の忙し小形山の山奥でうどん屋を営んでいる「ほたるうどん」。名前は1年生のころから聞いたことがあった。そこに行って出会ったのは、たくさんの写真。どうしてこんなに集まったのだろう。写真右の「ほたる」の周りを舞うゲンジボタルたち。きれいな清流のなかでカワニナを食べて大きくなる(2013.6.29撮影:砂田真宏)

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