FN79号
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no. 79 Dec. 201312身の周りの 生きものへの関心 私はふだんの生活のなかで、身近に見られる生きものと積極的に関わることを楽しみにしています。どんな生きものに出会えるのか、季節を追って紹介していきましょう。 霜柱がなくなり、ソメイヨシノの花が咲くころ、都留市ではツバメが見られるようになります。東南アジアで冬を過ごした彼らは、繁殖のために日本にやって来ます。私にとってツバメは、春を告げる生きもののひとつです。そんな時期に大学の裏山を歩くと、フデリンドウやダンコウバイなどの花が咲いています。セイヨウタンポポの花が目立つようになるのもこのころです。 4月に入ると、センダイムシクイやヤブサメ、キビタキなどの夏鳥が渡来します。二十四節気のひとつである「立夏」(5月6日ころ)には、アブラチャンやケヤキの下にオトシブミ類の揺ようらん籃が落ちています。人知れず成虫で越冬していたオトシブミ類は葉に産卵して、その葉を巻いて揺籃を作ります。注意深く探すと、揺籃を作っている成虫を見つけることができるかもしれません。また、夜に水田地帯を通るとアマガエルの合唱が聞こえてくるでしょう。 関東が梅雨入りするあたりにホトトギスの声が空に響くようになります。昼も夜も近くで鳴いているのに、なかなか姿を見せません。林縁では白くなったマタタビの葉が目を引きます。 8月中旬には、コナラやミズナラのドングリが枝ごと地上に落ちていることがあります。強い風が吹いたわけでもないのに、葉が数枚ついた枝がいくつも落ちています。枝には何かで切られたような跡があり、ドングリの帽子のところに小さな穴が空いていたら、それはハイイロチョッキリの仕業です。この時期にはセンニンソウやボタンヅル、クサギなどの白い花が咲き始めます。生きものに近づくために、どんなことをすればいいでしょうか?身の周りの出来事を見ていき、まずは彼らがそこにいることに気づくのが大切です。ダンコウバイの花ツバメルイスアシナガオトシブミの揺籃第22回
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