FN79号
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変化する自然の機微もう5年近くになるでしょうか。私は赤外線式の自動撮影カメラを用いて、都留文科大学のうら山に暮らす動物たちの変化を追いながら、さまざまな生きものとの出会いをたのしんでいます。私がうら山にかようルート沿いには、コナラを中心とした雑木林が3箇所ほどあります。2013年10月28日、その林床いっぱいをコナラのドングリ(堅果)が覆いつくしていました。足を踏み出すたびに、堅い殻が割れるパリッという音が鳴ります。これほどまでにドングリが豊作なのは、私が歩き始めてからははじめての出来事です。先週、先々週と台風の続いた影響があって、たくさんのドングリが落ちたのだと思います。落下したドングリはいったいどんな動物たちが利用するのでしょうか。糞に殻が混じっているのを見かけるイノシシやアナグマ、タヌキ。今年は彼らがドングリを食べる姿を観察する、よい機会かもしれません。野ネズミやカケスが彼らのとっておきの場所にドングリを運ぶ姿を、こっそり覗き見ることもできるかもしれません。ドングリが豊作だと、ツキノワグマのクマ棚(※)の数はどう変化するのかも見もののひとつです。私は「ドングリが豊作だ」ということ、そこからたくさんの生きものの姿を思い浮かべることができたことにうれしさを感じました。それは今までの出会いや経験のなかから、山の変化を感じ取り、その一部西丸尭宏(本学卒業生)=文・写真私にとって森歩きとは、散歩のひとつです。思うままに歩き、ときには道を逸れたり、足早に歩き抜けたりすることもあります。同じ場所で散歩を続けていくうち、次第に私の散歩はその場所に親しみをもつことに繋がっていきました。ニホンリスカケス

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