FN79号
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24no. 79 Dec. 201310月10、11日の2日間、私は所属している「うら山観察会」のナイトハイクで本学のうら山に登った。スタッフと招待した家族、10名ほどで17時半ごろ薄暗いうら山に入る。このとき私は観察会だから生きものに逢えて当たり前だと思っていた。 秋の山はもう寒い。ダウンコートを着て丁度良いぐらいだ。寒さに凍えながら夕暮れのうら山に入った。変わらない喜び まずはムササビの観察だ。薄暗い山道を15分ほど登るとムササビの巣箱が設置されているポイントに到着する。私は以前からムササビが好きだったけれど、今年の初夏に今宮神社で初めてムササビの滑空を観てさらに虜になった(78号参照)。愛くるしい顔つきにふさふさの柔らかい毛。皮膜を広げると意外に大きいところがまた魅力だ。滑空するさいは、両手足からしっぽまできれいにピンッと伸ばし、音もなく飛んでいく。うす暗い空を滑るように飛ぶ姿は幻想的で思わずうっとりしてしまうほど美しい。そんなムササビの姿を見たいと、懐中電灯に赤いセロハンを付けて巣箱を照らす。これはムササビが眩しくないようにするための大事な配慮だ。警戒されないように、静かに待つ。 10分ほどすると待ちに待ったときが来た。ムササビがひょこっと巣箱から顔を出す。暗闇で赤ライトに照らされて双眼がきらきらと光っている姿は少し怖い。こちらをうかがっているのか、なかなか出てこない。一旦巣箱に戻ってしまった。 しばらくして、今度は身体半分まで出してくる。辺りを見まわす姿が可愛らしい。巣箱の入り口に手をかけたかと思うと、すぐにばっと皮膜を広げて飛んだ。奥の茂みからがさがさと音がする。地面に下りたようだ。そのまま近くの木に登っていくムササビを必死に赤ライトで追いかける。もう一度飛ぶ姿を期待したが、そのまま木の葉に紛れて見失ってしまった。 ほかの巣箱も見てみるが、出てくるようすはなかった。ムササビ観察はこれで終わりかと名残惜しく思っていたそのとき、後ろの上空を別のムササビが滑空していった。ちらっと見えただけだが、再びあの美しい滑空を見ることが叶った。ムササビの巣箱。すらっと伸びる木の中腹ぐらいに木製の巣箱がくくりつけてある。昼間に巣箱からムササビが顔を出すこともある̶ナイトハイクを通して知ったこと̶逢う出喜を求めびて加藤萌香(初等教育学科1年)=文・写真
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