FN79号
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̶学びの場での向き合いかた̶都留市にお住まいの遠えんどう藤静しずえ江さん(81)は40年間教員を勤め、多くの子どもや保護者、先生と関わってきました。さまざまな取り組みをしながら「教育」について考えてきた遠藤さんにとって、教員生活で生きがいに感じたことはどんなことだったのでしょうか。40生きがいっていうかな、子どもたちにどう関わってきたか。子どもたちの可能性を伸ばしてあげて、助言とか指導ができて、その子どもがわかったとか、よかったとかそういうふうに感じてくれる指導を心掛けた。そういう時に、ああよかったなと思うの。 教えかたによって子どもたちがわかる。わかるっていうのは喜びをともなうっていうわけ。わからなきゃ嬉しくないよね。わかると学ぶことが楽しくなるの。そういうことを子どもが理解できるような教材研究をする。その結果、子どもにやらせてみたら、子どもが理解できてすごく喜んだ。その子どもがわかってくれたとき、こっちも教えがいがあったとか、よかったって思うでしょ。そういうふうにするってことをかなりしてきたね。 私が谷村第二小学校へ行ったとき、子どもがすごく荒れてた。みんなでこれをなんとかしなければって言って、そこで先生たちが意思統一したの。みんなで取り組んだ。 それで、もうちょっと内面化(心や感性を豊かにすること)していこうってことになったの。どういう面で内面化するかっていうことで、各学年にある教科書の文学作品をきちんと勉強するところからやっていこうって。人間の内面化をはかるのは文学作品で取り上げてくのがいいんじゃないかって。 ところが、教科書ってのはかなり紙面を限定されているから、原作でない(全文が載っていない)場合が多かった。とくに高学年ではいっぱいある。どこを抜いてダイジェスト化しているかっていう研究を先生たちがしていくと、ほとんど情景描写なの。文学作品のなかで情景描写がしめる割合とか、それが作品に及ぼす影響についてみんなで研究したの。やりがいを感じる たとえば、人が恋をすると景色まで輝いて見える。そういうふうに自分の心をとおして景色を見る。悲しいときは景色まで悲しく見える。情景と作品の登場人物っていうのは、切っても切れない関係にあるって。その情景を全部抜いちゃったら、味も素っ気もないって。no. 79 Dec. 2013
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