80(単ぺージ)
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no. 80 Mar. 201416 「明日寿命が来ても、後悔しないように生きていたいな、っていうのはあって」。少しの沈黙のあと、考えた言葉をそのまま話すようにしてすらすらと羽野さんは言った。これは、羽野さんに大切な時間をうかがったとき、時間という概念とは合わないかもしれないけれど、と言いながら答えてくれた言葉だ。この言葉が私のなかでとても印象的だった。 私が羽野さんと出会ったのは、昨年の秋。稲刈りのお手伝いのお誘いを受け、参加させてもらったのがきっかけだ。ほっそりとしていて華奢な体つきだけれど、その見た目とは異なり、軽々と一輪車を動かす姿が魅力的な女性だった。現在羽野さんは、宝地区で野菜を中心としたさまざまな作物を作っている。けれど、農業を初めからしていたわけではなかった。農業をはじめるまで 本学の卒業生である羽野さんは、大学4年生のときに大きな選択に迫られる。地元企業に就職するか、都留に残るかだ。さまざまな人と出会い、自然豊かなこの土地ですごした大学時代は羽野さんにとって、と羽野さんの道しるべふだん自然とのかかわりが少ない私は、自然とかかわって生きる人がどんな時間をすごしているか知りたいと思った。そこで自然にかかわる人にお話を聞くべく、宝地区で田畑を作っている羽はの野幸さちさん(30)にお会いした。伊藤瑠依(社会学科1年)=文・写真

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