80(単ぺージ)
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no. 80 Mar. 20142626no. 80 Mar. 2014これまでの聞き取りのなかで、遠えんどう藤静しずえ江さん(81)はたくさんの人と出会い、多くのことをしてきたというお話をうかがってきました。最終回となる今回は、そんな遠藤さんが考えてきた「人との関わりかた」とはどのようなものなのか、教員のころを振り返りながらお話をしていただきました。子どもたちと関わるときは、「自分は先生です」っていうよりも、子どもとおなじくらいの目線で、子どもが本当に気を許して話せるように心がけた。 たとえば、小学校のグランドの道の横に栗の木があって、秋になると栗の実が落ちるの。学校では道から向こうへ出てはいけませんっていう決まりがある。だけど、栗がポンと落ちればグランドにくるでしょ。男の子が休み時間に「先生、栗拾った」って言った。それで、私がその栗の皮を剥いて、一生懸命し・・ぶを取って、そして(自分の)口に入れたの。そしたら子どもがびっくりしちゃった。「え、先生食べていいの?」ってみんな言うのね。「あ、食べちゃいけないの?」って言ったら、「先生、学校って(給食や行事以外で食べものを)食べちゃいけないでしょ。いいな、先生ばっか食べて」って言った。体験から学ぶ そのことから、食べることを生活のなかへ入れたいと思ったの。それで誕生会をしようって言って、誕生会のときに手づくりの蒸しパンをつくる。そして、お誕生会の催しものをしたあとそれを食べる。そういうことって、学校でただ単に、ポケットから出してものを食べるとかっていうわけじゃない。行事の一環として誕生会のなかでやるからいいわけ。 蒸しパンをつくるときなんか家庭科室でみんなで蒸すでしょ。前掛けしたり、スカーフしたりして、それもうれしいの。そんなふうにして食べるっていうのが人間の生活のなかでものすごく大事で、それが生活を豊かにしたり、潤いをもたせたり、親睦を図ったりいろいろな意味があることをそこで学ぶ。 やっぱり子どものなかで、絶えず子どもと生活をつなげていくようにすれば、先生って特別じゃないんだ、おれたちとおなじだなっていう意識をもつと思うのね。認め合う環境 親に対しては厳しかったのね。親だって、子どもたちとこれから新しい経験をしてい̶教育のなかでの人との関わり̶

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