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2727くわけでしょ。親業(子育て)ってどこでも習ってないことだから、やっぱり勉強していかなきゃ、子どもについていけないよって。ただ、その教科がわかるとかが問題じゃなくて、子どもの発達に繋がっていくには、自分たちもそれを理解していかなければいけない。 それで、お母さんたちに「なんか書こう。でも一年かけてやるんだよ」って言って紙を渡しておく。とにかく子どもたちの成長に関わることを書こうって。そしたら生まれたときの苦労とか、さまざまなことを親が書く。そういう話は断片的に子どもに(話を)しても、子どもの記憶に残るほどではない。だからそういうのを書くと、大きくなる過程で子どもがそれを見て、絶対、親っていうのはどういうものなのかって理解してくれるよって。 学級のなかで一番先に書いてきた人がいると、親同士があんたは字が上手いからいいねとか、あんたは文が書けるからいいねって言う。だけどそういうことは言いっこなし。もし、仮に言う人があっても知らん顔して書けば、それが書いている人の人格になる。そうすると、親の変な競争がなくなって、みんな認め合うようになる。それでそうなったときにこのクラスはよくなるんだよって。こんなふうにして、子どもの成長に関わりながら親と関わっていくの。 誰だって自分の子どもはよくしたいって言うでしょ。でも、このクラス37人いれば37人の子どもがみんながよくならないと、自分の子どももよくならないよって言うの。それには、みんなのお母さんが力を合わせて環境をつくっていくんだよって。 自分の子がとか、親同士の競い合いとかじゃなくて、みんなでやっていこうというところにもっていく。そういう親とは最後まで離れがたいものね。地域が動く 地域っていうのはPTAだよね。その人たちも、子どもとの関わりとかを学級だよりなどで出すことで、それを見た親が地域のなかで、この先生はどういう先生かと理解してくるようになると思うの。 たとえば、低鉄棒が(小学校で)非常に少なかったの。これじゃあ困るって。そしたらPTAが教育委員会に言いに行ってくれた。そして、教育委員会でつくってはあげられないけど、材料は買ってあげられるから、PTAの勤労奉仕でしなさいって言った。それで、すぐPTAの人たちが低鉄棒つくってくれた。         ◆  教育っていうのは、子どもを中心に置きながら学級とか地域とかみんなでそういうふうにしていく。そのことがものすごく大切で、そのためにどうしたらいいのかを考えながら関わりかたをしてきた。 だから、私が得するわけでも、誰が得するわけでもない。子どもの成長に関わって、みんなが力を出し合うっていう体制をつくっていくの。第1〜3回 2011年 11月8日   4回 2012年 7月22日   5回       11月7日   6回 2013年 2月13日 7〜8回       4月22日   9回       10月27日  最終回 2014年 2月1日これまでの聞き取り日

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