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ファッションショーのようす。遠藤先生の司会に合わせて、モデルが次々に登場する(2012.06.03)「和服リフォーム」講座のようす。遠藤先生が服の型紙を描くときのアドバイスをされている(2014.01.27)る。私は2011年7月3日と翌年6月3日に、展示会の企画のひとつでもあったファッションショーを見に行った。企画は毎年大盛況で、会場にいる誰もが「和服リフォーム」に夢中になっていた。 「和服リフォーム」を続けている理由として、遠藤先生があるお話をしてくださった。 10年ほど前、ファッションショーをはじめた当初、モデルとして参加された73歳のかたが、ご主人に「そんなしわくしゃで腰が曲がっててみっともないから、参加しないほうがいい」と言われたことがあった。そのかたはそれが理由で参加を辞退しようとしたが、遠藤先生は「腰が曲がったらみんな裸で歩いてる? みんな着物着てるじゃん。だからいいんじゃない。ファッションショーはきれいな八等身の若い人がやるだけじゃないから」と励まし、そのかたは参加されたそう。そして展示会が終わったあとの反省会で、そのかたは「私は73年生きてきて、こんな楽しいことはなかった」とおっしゃったという。「それが私の一番のきっかけ。やった結果が、人が喜んでくれたり、生きがいにしてくれたりしたのがすごくうれしいよね。だからこれは、やめられないなと思った」 人とのつながりを大切にしたいという遠藤先生の思いが、さらに「和服リフォーム」を盛り上げていくことにもつながっている。「環境」をつくる 遠藤先生の元気の源はどこにあるのかとうかがったとき、「環境」という答えが返ってきた。「自分を取り巻いているなかに、自分の興味があるものや憧れ、やりたいことがまわりにあるっていうこと」。それが遠藤先生の言う「環境」だ。遠藤先生のまわりはそういった「環境」で溢れている。それは、偶然まわりにあったからではなく、遠藤先生が自分で行動してつくりだしているからだと思う。「自分で身につけたものは、誰ももっていかないから盗られないよ」と遠藤先生のお母さんは口癖のように言っていたとのこと。それなら使わなければもったいないと考える遠藤先生は、自分が身につけた技術や、人との関わりかたをいつでもどこでも活かしているのだ。そうして自分からやりたいと思える「環境」をどんどん広げていく。 でも、ただ「環境」をつくればいいというわけでもないらしい。「入り込むと飽きるの。それで挫折するよね。それがふつう。その挫折を乗り越えるとおもしろい。ハマるっていうの。で、おもしろくなると上手になる」30no. 80 Mar. 2014

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