学報136号
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私は都留文科大学に来てSATを中心に4年間担当させてもらいました。都留第一中学校、都留第二中学校、東桂中学校の三校を主に担当させてもらいました。いつも三校の先生方は忙しい中でも私に笑顔で対応してくれました。また、学生をいつも気持ちよく受けていただいたことにとても感謝した4年間でした。私は相模原市で中学校の教員をしていましたが、この都留の中学校の空気は自分が働いていた中学校と同じように感じました。なぜ同じ空気を感じたのでしょうか。それは今頃になって少しずつわかってきました。 今を思えば、私が教員をしていた相模原市には多くの都留文科大学出身の先生が働いていました。相模原市は戦後、急速に人口が増えてきた神奈川で山梨に一番近い町で、都留から山を越えればすぐです。50年前はわずか10万人の町でしたが今は70万人を超える都市になりました。そこでは多くの卒業生が神奈川県の教員として採用され、相模原市に配置され、相模原市の教育文化を作ってきました。私の知る、多くの都留出身の先生は優しく、いつも教育に夢を持っていました。ある先生は学校でポニーやアルパカを飼って子どもたちのヒーローになっていました。また、ある先生は生活科や総合的な学習の研究に熱心に取り組み教育界が注目する発表をしました。先生の中には反骨精神が旺盛で、「学級担任でなければ先生でない」と教師を貫いた人もいました。 ところで私の大学に在職した4年間、相模原市教員採用試験で合格した学生や卒業生は40人を超えていると思います。この10年間を合わせれば100人に近い若い力です。私は、時々、市内の小中学校を訪れて、彼らの様子を見ることがあります。校長先生から文大出身の若い先生が活躍していると聞いてうれしくなります。彼らがこれから相模原の教育を担っていくと思うとわくわくします。 都留文科大学は学生が学業に専念できる落ち着いた環境の中にあります。さらにこの大学には熱心で温かく、教育をよく理解している先生方といつも優しく相談に乗ってくれる事務職の方がいます。こんな素晴らしい環境で育った学生は、卒業しても、いつまでも大学で過ごした4年間を思い出すのでしょう。そして卒業してからも誇りを持ち続けるのでしょう。 私はここで退職しますがこれからも彼らを応援していきたいと思います。最後に学長先生および教職支援センターの先生方、そして事務職のみなさん、本当にお世話になりました。都留文科大学の思い出教職支援センター特任教授 金 山 光 一都留っ子ワクワク教室(縄文教室)にて7都留文科大学報 第136号2018年2月28日(水)
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