学報139号
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卒業を目前にし、都留という地に初めて足を踏み入れてからもう4年の歳月が経つのかという驚きとともに、寂しさに似た不思議な感覚を覚える。「第2の故郷」とはよく聞くフレーズであるが、都留は私にとって故郷ともまた少し異なった、深い思い入れのある地となっている。 都留という地は、今までにやったことがないこと、そして他ではできないことを経験するには絶好の環境が整っている。サークル活動にアルバイト、日常生活など、他大学の友人と話をする度改めて都留の魅力を再認識する。そんな環境の中で私は4年間でそれまでの自分では考えられないほど多くのことに挑戦し、乗り越えてきた。それと同時に、今まで避けてきた「失敗」を人一倍重ねられた。その失敗の数こそが、私が都留を第2の故郷と呼べない所以なのかもしれない。 しかしそこには常に「人との出会い」があった。出会いとは、新たな自分の発見である。ともに時間を過ごし、時には叱責し、喜怒哀楽を共有してくれた仲間や先輩、都留市の方々の存在が、私に新しい可能性を見出してくれた。私をここまで成長させてくれた人々にしっかり感謝を伝えたい。 4月からは都内のIT企業に勤めることになる。大学では言語学を専攻していた私にとって、これもまた、全く経験のない新たな可能性への挑戦だ。不安もあるが、今の私には都留での学生生活で培った自分だけの強みがあると自負している。 胸を張って都留を旅立とう。 大学4年間は、あっという間のことでした。今まで育ってきた地元、親元から離れ、自分自身のことや、家族のこと、社会のことを、これまでとは違う視点で見つめなおすことができたと思います。 「勉強」というと非常に堅苦しく感じ、高校時代は熱心に取り組んだ記憶はありません。正直に言うと、大学進学は就職のための通過儀礼であり、「勉強」を楽しく感じることは一切ないと考えていました。 そんな不真面目な私ですが、2年次にとある先生の必修の授業を受講したことで、「学問」の楽しさに触れることができました。明確な答えがないからこそ、多角的な視点で事象を観察できることの楽しさを知り、自分の人生の視界が一気に広がるような感覚がしました。その後、同じ先生のゼミに所属することになるのですが、非常に大変だった分、自らの将来を考える上で重要な学びを得ることができたと思います。 4月からは、新しい環境での生活が始まります。大学での学びや問題意識を忘れることなく、常に学び続ける人間として、様々な人の人生を支えていきたいと思います。 最後に、家族や恩師、就職活動でお世話になった職員の方々、個性豊かでたくさんの笑顔をくれた友人たちには心から感謝しています。ありがとう。旅立ちの地分岐点英文学科4年太田祐佳子謎の祈りを捧げる私(楽しかった)ゼミ仲間と社会学科現代社会専攻4年氣仙 遥102019年3月8日(金)
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