学報139号
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 都留文科大学に来るまで自分がここまで教育について学ぶとは夢にも思いませんでした。初等教育学科に入学し4年の月日が経ち、もっと教育学を学び自信をつけたいと思い入学した文学専攻科での1年もあっという間に過ぎた。 専攻科では、様々な先生方の実践を通して、子ども理解への考えを深めたり、教育学に関する論文を読み課題を抽出し、教師の在り方を学んだりしました。また、学部時代から教育現場を訪れ、子どもと触れ合うとともに生の実践を見ることで自分が理想とする教師像を考えることができました。 最後に都留文科大学で専攻科を含め学んだこの5年間は、多くの仲間や先生方との出会い、多くのことを学ぶことができた充実したかけがえのない時間でした。ここで学んだことは、これからの私の人生にとって大きな財産となりました。ここでの学びを忘れず、子どもたちに寄り添い、子どもたちと共に成長することのできる教師を目指していきます。この5年間お世話になった多くの方々、特に共に学んだ仲間たちに心より感謝申し上げます。 都留に来てから、はやくも6度目の春を迎えようとしています。 都留での学びを振り返ってみますと、地域に育てていただいたという想いが強くいたします。都留文科大学に入学した平成25年には富士山が世界遺産に登録され、海外から多くの方が都留を訪れるようになりました。文大もひろく外に拓かれた体制となり、多様なメンバーと学びを深めることができました。国文学科の「富士山学」の授業では毎週異なる方法での「読み」が提示され、とても刺激となりました。昨年は慶應義塾大学名誉教授の藤原茂樹先生をお招きし、郡内の地を巡り御講演をいただきました。私の主な興味は「伝承」にありますが、これは文大での学びに触発され、十日市場の史跡を歩いてまわる中で育まれたものです。 都留には大学の外にも学びのチャンスが拡がっています。院生時には市内の中学校にて国語の授業をさせていただきました。特に、富士五湖のひとつである西湖が舞台の「幻の魚は生きていた(中一国語)」の授業では、生徒に教えられることが多く興味深い展開となりました。先輩教諭の皆さまの御指導に加え、フリースクール・市内のボランティア活動・児童相談所などさまざまな場所で学ばせていただいた経験により、授業をつくることができました。御礼申し上げます。 大学院では恵まれた環境のもと、「伝承」がどのようにつくられていくのかについて考察を行い次の二編の論文と研究発表を成すことが出来ました。・「風土記の浦島子伝の研究I――冒頭の「相乖くことなし」を中心に――」『都留文科大学大学院紀要』第22集(2018・3)・「風土記の浦島子伝の研究Ⅱ――冒頭部の「所由」考――」同第23集(2019・3)・古代文学会六月例会研究発表「風土記の浦島子伝における記述――記事の問題として――」(古代文学会・2018・6)これらは学内外の諸先生方に貴重な御助言をいただいたことに加え、同窓会に補助をいただき学会に参加させていただいたことにより成ったものであります。このテーマを展開させ新たな論と成すことができるよう、今後も努力してまいります。 最後に学部・院と御指導いただきました鈴木武晴教授に御礼申し上げます。ありがとうございました。都留文での5年間この春ぞ 心の色はひらけぬる……マレーシア旅行にて文学専攻科教育学専攻吉度航太朗大学院国文学専攻長谷川豊輝双子の兄と共に国語の授業にて122019年3月8日(金)

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