学報139号
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上映作品は、山梨県市川三郷町を舞台に撮影されたドキュメンタリー映画『ひいくんのあるく町』です。この作品は、市川三郷町出身の青柳拓監督が日本映画大学の卒業制作作品として制作したもので、「2017年座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」コンペティション部門入賞や「映文連アワード2017」準グランプリ受賞などの賞を受賞し、4月に開催された地元上映会では1000名以上の観客を動員、圧倒的な支持を集め、全国の劇場でも上映が行われました。 当日は青柳監督と渡井秀彦さん(ひいくん)をお招きし、地域の方や、学生など約40名の参加者と共に作品を鑑賞しました。 参加者からは、「暖かさと何か寂しさの残るような作品だなと感じました。町の人たちの人情深さに心がじんわりと温かくなったし、現代では薄れていっている人の繋がりを感じました。また、それと同時に町が変化していく、廃れていってしまう様子に悲しさを覚えました。」「ひいくんが街の中に溶け込んで、地域の方と自然に交流している姿が心に残りました。街はずいぶん変わってしまっているけれど、いつも笑顔で歩いているひいくんは、常に安心感がある存在であるのかなと思って心が暖まりました。」「何とゆるやかに、とても自然に、人を、障害者を、老いを、病を受け止めることのできる町なのでしょう。ありのままに、自然体で生きているひいくんと、周りの人達が、うらやましく思いました。言葉は少なくても伝わるものがあることを、改めて感じることができました。」「心が温まる映画でした。ひいくんの優しさ、町の人たち、家族の人たちの優しさ、温かさがこの映画から伝わってきました。」などの感想が寄せられました。平成30年度第1回文大名画座を1月9日(水)に自然科学棟S1教室で開催しました。平成30年度第2回文大名画座を1月23日(水)に自然科学棟S1教室で開催しました。 『昼顔』『終電車』『インドシナ』から、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『8人の女たち』など数々の名監督たちの傑作を彩り、現在でも若手監督の作品への出演を活発に続け、2008年のカンヌ国際映画祭では特別功労賞を受賞し、2018年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した、仏映画界が世界に誇る名花カトリーヌ・ドヌーヴ。そんな彼女を一躍スターダムに押し上げた大ヒット作が、1964年の第17回カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞した、ミュージカル映画・悲恋映画の傑作として、いまなお映画史に燦然と輝き続ける不朽の名作『シェルブールの雨傘』です。今回は、この『シェルブールの雨傘』を、山口博史COC推進機構准教授の解説付きで上映しました。 参加者からは「フランス語のニュアンス、フランスの地理などの解説を上映前に聞くことができてよかった。『シェルブールの雨傘』は前に一度みたことがあったが、解説がついているということと、大きい画面で見られたことでよりいっそう楽しめた。」「名前や距離感、あるいは慣用句の解説のおかげで見ている最中に声を出しそうになりました。セカンドベストな幸福をここまで鮮烈に描いている作品なのですね。」「初めて全編音楽の映画を見ました。素晴らしいストーリーでした。先生の解説が適度に映画の一場面を表現していて良かったです。」「作品の中身製作時の時代背景などが聴けたので映画を身近に感じました。始めに解説があったお陰で見るべき所を見逃さなくて済みました。」「上映前に先生から時代背景とキーワードの説明があったので、内容がすんなりと入り映画を十分楽しめました。」などの感想が寄せられました。文大名画座 質問会の様子青柳 拓監督文大名画座を開催382019年3月8日(金)
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