学報139号
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旅立つことば 入学してからの4年間はあっという間に過ぎ、卒業を迎える今となってもなかなか実感がわきません。思えば故郷を離れ、一人暮らしを始めた4年前の春。身の回りのことを全部自分でやるようになって、いかに実家暮らしが恵まれていたかを痛感しました。大学の授業では教師になるための専門的な知識を学び、それまで思い描いていた教師の姿は氷山の一角に過ぎなかったことがわかりました。そして学びを重ねる度に、一歩ずつ教師に近づいていく気がして嬉しかったのを覚えています。 大学生活では、いくつものかけがえのない思い出をつくることができました。なかでも大きな部分を占めるのがサッカー部で過ごした時間です。ほぼ毎日のようにメンバーと顔を合わせ、主将を中心に練習メニューを考え、お互いを高めてきました。また、体育会ならではの飲み会で、「酒は飲んでも呑まれるな」という言葉の意味を思い知らされたこともありました。家族以上と言えるほどの絆で結ばれた仲間とともに、幼稚園から続けてきたサッカーをやりおおせたことは、私にとって何物にも代えがたい財産です。 これから故郷に帰り、私の夢であった教師としての道を歩んでいきます。時には壁にぶつかることもあると思いますが、都留文科大学で学んだことに誇りを持って、前向きに乗り越えていきたいと思います。4年間支えてくださった先生方、友人、家族には心から感謝しています。本当にありがとうございました。 書き出せばキリがないのだが、4年間の思い出で書きたいことは、大学で学べた多くのことについてだ。自分の学科の専門的なことはもちろんだが、他学科の講義を受けている時も私にとってはとても新鮮だった。自分の根底にある、知らないことを知る喜びに改めて気付かされたのである。特に、小林秀雄について触れた時は、これを学ぶために私は大学へ来たのだ、と思えたのだった。また、語学研修でカナダへ行ったことも私にとっては大きな経験だった。忘れられない思い出だ。ゼミでの学びもそうであった。教育という決して正解がない世界を、自分はどのように捉えて、どのように理解していくのか、ということを考えてきた気がする。そして、これからも正解のない問いについて考えていくのだろう。都留文科大学という場所に来なければ学ぶことができなかった、その多くに出会えてよかったと思える。 そして、これらの学んだことについて外せないのが人との出会いである。普段の生活をしていればきっと交わることはなかったであろう人たちとの出会いだ。自分が変わらない出会いは出会いではないと、読書という授業で教わったが、それならば私は変わったと、多くの人と出会えたとハッキリと言うことができるだろう。 私と出会ってくれた家族、友人、先生方、全ての人に支えられて今の私が在る。どの出会いが欠けても足りないのだ。心から感謝しています。4年間ありがとうございました。旅立つことば学びと出会い初等教育学科4年佐伯峻希国文学科4年安藤 睦国語教育学ゼミ2018夏合宿52代サッカー部引き継ぎ9都留文科大学報 第139号
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