都留文科大学学報(最終)【Web差し替え(R7
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新たな異文化体験に向けて英文学科教授鷲 直仁 ご卒業おめでとうございます。すでに、みなさんの多くがアルバイトなどで実社会を経験された方も多いかと思います。しかし、学生という肩書きがあって働くのと、その肩書きがなくて働くのでは、自ずと意味が変わります。(もちろん働かないという選択肢もあります)卒業後は、学生ではない「社会人の肩書き」を持つことになります。その重さを肌で感じることでしょう。しかし、いかなる経験も無駄にはならないのも、また、人生の醍醐味です。 私自身も大学時代、就活から始まり、就職、そしてその後転職もしました。公私ともに学生時代とは違った種類の喜びや悲しみを味わいました。(詳しくは後日)新生活は、慣れないことだらけです。私も社会人1年目のことを思い出すと、その頃の自分に説教をしたくなります。 みなさんが、大学に入学した時も、多くの期待と不安があったと思います。大学生活はどうだったでしょうか。大学も学習・生活環境を整えるべく努力をしています。しかし、自ら動かなければ変化はしません。在学中の実りある経験、もしくは後悔、一人ひとり違うでしょう。今、また、大きな変化の中に飛び込んでゆく時が近づいてきました。自ら考えて動いて下さい。 実社会での経験を基に、楽しく、あるいは悲しく友人と会話することも増えるでしょう。それが、「大人」であるともいえます。多くの経験を積み重ねて、みなさんが、そして、みなさんと、大人同士の会話をする日を楽しみにしています。本学を卒業されるみなさんへ比較文化学科准教授 水野 光朗 ご卒業、おめでとうございます。 本学から羽ばたかれるにあたって、私から三つメッセージを贈ります。 一つ目は、これから皆さんが問われるのは、「大学で何を教わったのか」ではなく、「大学で何を身に付けたのか」です。「大学で学んで、何ができるようになったのか」と言っても構いません。言うまでもなく、大学における学びは、講義、実習、演習、実験、実技その他の授業での学びだけではなく、クラブ、サークル、地域における様々な活動によって得られた学びも含んでいます。特に、地域をフィールドとしたグローカルな学びは、本学の特色の一つとなっています。 二つ目は、いのちを大切にしてください。「一人の人間の命は、地球より重い」。これは、かつて福田赳夫首相(当時)が述べた言葉です。「重症化率は低い。」、「マスクを着用し換気を行っていれば、好き放題・やりたい放題やっても構わない。」という言説の背景に、「一人や二人なら亡くなっても構わない。」という意識があるのではないか。よく考える必要があると思います。 三つ目は、何事も失敗はつきもので、失敗は成功の準備運動です。今後、様々な選択を迫られることがあると思います。思い切って新しい海に飛び込んでみると、思いもかけなかった新しい世界が広がっていることが多くあります。 大変なことも多いと思いますが、これからもお互いを思いやりながら支え合い、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています。おくることば13都留文科大学報 第151号

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