都留文科大学学報(第152号)
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3階には「レーザーカッター」や「3Dプリンタ」、「VR」などの新しいテクノロジーに触れられる施設「デジタルコモンズ」を配置しました。これは、新たなテクノロジーに触れながら、興味・関心を基に大学と地域、国や言語の隔たりを超えて互いに知り合い、カリキュラムに縛られない自律的で協働的な活動を行う為の施設です。想定される具体的な活動として、レーザーカッターや3Dプリンタによるものづくり、映像の編集やプログラミングなど、様々なワークショップの開催が構想されています。同フロアーには、カウンターキッチンを備えたコミュニケーション型のラーニングコモンズも配置しました。デジタルコモンズとラーニングコモンズの仕切りは可動式で、開放すると馬蹄型の一体化した、大きな空間として使うことができます。このように3階には、「DIGITAL」と「コミュニケーション」を融合した新しい発想の活動や、2階と4階のコミュニケーションを促すための基盤機能をねらいました。 4階には「教職支援センター1・2」を配置し、本学と地域が協働しながら、互いに学びを支え合うこと目指しています。これからの社会を考える上で、教育は避けて通ることができない全学的なテーマの一つです。同時に、THMCが地域の学びの拠点となることを期待しています。これを踏まえ、同フロアーには小・中学校の教室をイメージした「模擬教室」を配置、将来的には近隣の小・中学生を招き、子どもたちに新しい発想による学修環境によって好ましい刺激を与えつつ、実験的な「未来型授業」を行い、その様子や成果を学内・外に発信することを期待しています。更に、複雑化・個別化する社会の中で、自律的に自己を見つめながら考えを深められるように、独立した空間のラーニングコモンズも配置しました。 その他、各フロアーには広く清潔なトイレと多目的トイレ(2階トイレにはおむつ替えシート)を設置、廊下のアルコーブ(壁のくぼみ)にも照明と掲示装置、ベンチ、電源を設置、タブレットやPCを充電したり、学んだりすることができます。更に、2Fカフェコモンズと4F廊下にオンデマンドプリンターを設置、自律的な学びを支えます。 光は居心地の良しあしを決める重要な要素です。各フロアーの照明デザインにも気を配りながら、2階ロビーとカフェコモンズの天井には高品位な照明器具を採用し、居心地の良い空間を目指しました。また、自然光を効果的に取り込むために、廊下側の窓には木目調のルーバーを設置するなど、快適に過ごすための様々な工夫を凝らしました。最新の機器を備えたデジタルコモンズでアイデアを深め、カタチにする模擬授業を通じて、次世代に求められる教育を研究、新しい授業をつくる3階4階102023年7月3日(月)
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