都留文科大学学報(第152号)
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 2021年度より本学のFD委員会委員長を務めております、学校教育学科教員の春日由香です。本稿では、昨年度(2022年度)に実施された「授業についての学生アンケート」の結果を総括し、コメントを述べさせていただきます。授業アンケートについて 「授業についての学生アンケート」は、本学における授業内容の改善・向上を目的として、毎年度の前期末および後期末の授業時間内にて、受講生がWEB上にて質問項目に回答するという形式で実施しています。(2022年度では、一部の教養科目を除く大半の授業科目が対面授業となりました。) なお、2022年度より、都留文科大学の全授業科目について「授業についての学生アンケート」を実施するということになりました。また、アンケートに回答する学生の負担軽減のために、アンケートの設問数を「19問→9問」と約半分に削減しました。 この変更に伴いまして、本年度においては、授業アンケート結果の経年変化について検討・分析することができなくなりました。そこで、この報告では、アンケートの設問文の内容・ねらいを中心として説明させていただきます。授業アンケート実施率 表1は、授業アンケートの教員別実施率を示したものです。前述したように、2020年度から、WEBにて回答する形式のアンケートへと実施方法を変更しました。その結果、2020年度の実施率は大きく落ち込みましたが、2021年度はWEB実施にも関わらず、2019年度と同程度まで持ち直しました。ところが、2022年度の実施率は、専任・特任教員の実施率が73.5%、非常勤講師の実施率が78.8%という数字に留まりました。これは、本年度から全科目において授業アンケートを実施したために、実施率が落ちたと考えています。今後も、アンケート実施について教員と学生の双方に向けて周知徹底を行い、実施率を上げるためにFD委員会として取り組んでいきます。アンケート設問文についての説明 それでは以下、表2(前期)および表3(後期)のアンケートの設問文についてご説明させていただきます。1 この授業について、週当たりの授業外での平均学習時間はどのくらいですか。 受講者がこの授業について、どのような意識で取り組んだかということを知るために、平均学習時間を聞いています。この結果を受けて、大学として「学生が予習や復習をする時間を確保するために」カリキュラムと時間割の精選・見直しを行いたいと考えています。2 授業の内容は、シラバスに書かれた目標と内容に沿っていましたか。 シラバスを遵守した授業内容であるかを問うと共に、受講者自身がシラバスを理解し、能動的に学んでいるかを問い直すという二つのねらいがあります。授業担当者はこの結果を見て、自らのシラバスと授業内容との関連について見直すことができます。3 授業の内容は、分かりやすく、興味深いものでしたか。 受講者が興味・関心をもち意欲を高く保ちながら、取り組むことができる授業であったかを知るための設問文です。4 授業は、受講者の反応や理解度に応じたものでしたか。5 授業者の学習意欲や授業参加を促すための工夫がされていて、双方向の学びが実現されていましたか。6 授業のレベル(難易度)は適切でしたか。 4・5・6は、従来の一斉授業の形式のみならず、学習者参加型やペアワーク・グループワークなど様々な学習スタイルが採用された「双方向な学び」を実現した授業であったか、受講者の理解度(難易度)を確認しながら授業が進められていたかを問う設問です。主として、授業者がこの設問についての結果を自らの授業改善に生かすことを目的としています。7 あなたは、この授業で理解できなかった点について、どのように対処しましたか。(選ぶ)(授業中に質問した・授業後に質問した・友達に質問した・自分で調べた・何もしなかった)8 この授業を履修したことで、この分野の学びについて、興味・関心・意欲をもつことができましたか。 7・8の設問は、受講者自身が主体的に授業内容を理解するために「問い」をもって臨んだか、どんな方法でその「問い」の「答え」を獲得したか、学びの中身について、受講者が興味・関心・意欲をもつことができたか表1(実施率%)実施年度2019年度2020年度2021年度2022年度専任・特任教員92.483.492.673.5非常勤講師86.966.282.678.82022年度「授業についての学生アンケート」の結果から学長補佐(評価担当) (兼FD委員会委員長) 春日 由香222023年7月3日(月)

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