都留文科大学学報(第152号)
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 今年度より広報委員に着任いたしました黒川智史と申します。私の専門分野についてこの場を借りて説明させていただきます。みなさんは「正しく評価されていない」と感じたことはありますか。私の専門分野は、言語テスト理論というもので、「言語のテストが正しく評価しているか」の検証です。具体的には、外国語科目のテストが、妥当であり、信頼できるものなのかを検証しています。もちろんテストの中には、入学試験のように、その結果が受験者の今後の人生を左右するほどに重要なものから、授業毎に実施する小テストのように、受験者にとって重要度が比較的低いものまで様々です。 前者については、大学入学共通テストの枠組みで、複数の英語民間試験のスコアを活用する方針が頓挫したことが記憶に新しいかもしれません。英語民間試験導入が頓挫したのは、異なる目的で作られている英語民間試験のスコア同士を比べるのは、妥当性、信頼性の観点、ならびに大学一般選抜において最も重視されている項目である公平性、公正性を欠いているとみなされており、「正しく評価している」状態とは程遠いものでした。また、運用面での問題も多く存在していました。大学入試のように全国規模のテストについては、定量的に妥当性、信頼性を検証するだけでなく、定性的に言語テスト理論ではその経緯をまとめることも重要です。私は今ちょうど、定性的に英語民間試験導入経緯について本を書いていますので、少しばかりお待ちください。 さて後者の小テストについてですが、これも重要です。日々のテストで上達を確認できなければ、学生は「正しく評価されていない」と感じてしまうでしょう。英文学科の卒業生、少なくともゼミ生は教壇に立つことを想定して、学生を正しく評価できるように育てていく所存であります。都留文科大学広報委員会都留文科大学報 第152号 2023年7月3日発行吉岡 卓(委員長)・日向良和(副委員長)・佐藤明浩(担当副学長)・黒川智史・上野貴彦原 和久・堤 英俊・菊地優美・神長 唯・安富博史(企画広報担当)・大輪知穂(IR担当)有馬治子(キャリア支援センター担当)・天野麻由(企画広報担当)・奥脇開斗(企画広報担当)〒402-8555 山梨県都留市田原3-8-1☎0554-43-4341 URL:https://www.tsuru.ac.jp/編集後記「正しく評価される」英語のテストを目指して英文学科 黒川 智史学会帰りに立ち寄ったOxford大学校内の写真 執筆者撮影戦争と文化的トラウマ 日本における第二次世界大戦の長期的影響環境社会学事典新しい国際協力論【第3版】―グローバル・イシューに立ち向かう竹島正・森茂起・中村江里(編)伊香俊哉 他 執筆2023 年 4 月 発行日本評論社◇伊香 俊哉 比較文化学科 教授環境社会学会(編)神長唯 他 執筆2023 年 3 月 発行丸善出版◇神長 唯 地域社会学科 教授山田満・堀江正伸(編)峯田史郎 他 執筆2023 年 4 月 発行明石書店◇峯田 史郎 地域社会学科 准教授ぶんいだ堂

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