都留文科大学学報(第152号)
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暖かな春の陽射しに誘われて、桜もほころび始めるこの佳き日に、伝統ある都留文科大学の入学式を迎えられたことを、大変嬉しく思います。これも、母校の先生方・家族・友人たちなど、多くの方々の支えのおかげです。都留文科大学での生活を、実りある素晴らしいものにすべく、日々精進し、切磋琢磨していきたいと思います。 私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大と共に、制限の多い高校生活を過ごしてきましたが、この5月には五類に移行する方針が示され、マスクの着用や様々な制限も緩和されてきました。しかし、この3年間で国内だけでも7万人を超える命が失われ、社会全体が大きな影響を受けて数々の問題が表面化しています。 また、ロシアによるウクライナ侵攻は1年以上続き、国際社会における対立は悪化の一途をたどっています。ウクライナやロシアの人々の生活は勿論のこと、止まることのない物価上昇や原油価格高騰など、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。 さらに、近年、ICTやSNSが急速に発達し、人々のコミュニケーション方法も多様化してきました。そのおかげで、場所や年齢を問わずいろいろな人と意見を共有できるようになり、リモートワークなどの働き方も普及してきました。その反面、SNSを悪用した様々な事件や、ネット依存などの問題も生じています。 このように難しい課題が山積する時代に、私たちは不安を抱えながらも、立ち向かっていかなければなりません。そのために、大学での学びを通して専門的な知識と幅広い教養を身につけ、現代社会が直面する多くの問題を様々な視点から学び、探究していきたいと思います。そして、自ら考え、前向きに行動する力を一層高めていきたいと考えています。 このような時代にあっても、私たちにはそれぞれの夢があり、希望があります。全国各地から学生が集まる、この都留文科大学の恵まれた環境のもとで、新たな未知なる世界に一歩を踏み出し、多くのことを経験し、学び、そして、自分の世界観を豊かに拡げていきたいと思います。勉学に励むことは勿論、部活動やサークル活動にも積極的に参加し、豊かな人間性を育んでいきたいと考えています。 そして、都留文科大学の学生として恥じることのないよう、また、社会に貢献できる人間になれるよう、自信と誇りを持って歩みを進めて参ります。私たちは、高校生活の中で「普通の日常」がどれほど大事なものなのかを学びました。だからこそ、一日一日を大切に過ごすことを決意し、新入生のことばといたします。 やわらかな陽射しの降り注ぐ季節を迎え、春の息吹が感じられるこの佳き日に、伝統ある都留文科大学の入学式に臨んで、大きな喜びを感じています。これも、母校の先生方のご指導や家族の愛情、友人たちの励ましのおかげです。皆様の思いを胸に、掛け替えのない大学時代にすべく、日々精進して参ります。 今から12年前、東日本大震災に見舞われ多くの尊い命が奪われました。今も尚、心に深い傷を負いながら、復興に向け直向きな努力を続ける方々がいます。また、この2月のトルコ大地震では、隣国シリアを含め5万人以上の方が亡くなりました。家族を失った幼い子どもが泣き叫ぶ姿をニュースで見て、胸が痛みました。それでも尚、大きな爪痕が残る辛い状況の中、前向きに復興を目指す方々がいます。これらの粘り強い姿は、私たちに困難に立ち向かう勇気を与えてくれます。 この3年間、世界は新型コロナウイルスのパンデミックの猛威に見舞われてきました。国内だけでも累計感染者は3000万人を超えています。7万人以上の命が失われ、様々な分野で活動が制限されてきました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻は1年以上続き、解決の糸口が見えません。こうした状況の影響は社会や経済、そして私たちの日常生活にも及んでいます。グローバル化の進展やICTの発達は世界との距離を縮めてくれますが、逆に世界情勢の変化が私たち自身にも大きな影響をもたらすのだと改めて感じています。 一方で、コロナの状況も次第に落ち着き、様々な制限も少しずつ緩和されてきました。明るい兆しが見える中で、私たちは、これからの社会を構築していく新たなステージに立つことになります。そこでは、様々な課題に立ち向かうしなやかな知恵と行動力が求められます。だからこそ、この4年間で何をすべきかしっかりと考え、目標を持って学ぶとともに、多くの経験を積んで、自ら積極的に行動する力を養いたいと考えています。 都留文科大学には全国各地から学生が集まります。この恵まれた環境のもとで新たな発見をし、視野を広げていきたいと思います。そして、勉学と同時に、部活動やサークル活動を通して互いに交流を深め、協力し信頼し合える豊かな人間性を育みたいと思います。 私たちは、都留文科大学の学生としての自覚と誇りを持ち、それぞれの成長、夢の実現に向かって進んで参ります。そして、限りある一日一日を大切にして大学生活を送ることを決意し、新入生のことばといたします。新入生のことば新入生のことば文学部 比較文化学科新入生代表 原田拓海教養学部 学校教育学科新入生代表 宮本愛姫5都留文科大学報 第152号
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