都留文科大学学報(第152号)
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 この度、公立大学法人都留文科大学の学長・副理事長に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。第15代の学長とのことで、本学の歴史と伝統の重みを改めて感じております。 昨年4月に副学長・理事を拝命し、この1年間、大学の様々な課題に取り組んで参りました。国内の少子化、18歳人口の減少により、日本の大学は競って志願者確保の努力を続けています。教員の働き方に対するネガティブな情報の拡散により、教員養成に実績のある本学の強みに陰りが生じています。コロナ禍における地元志向の高まりは、全国47都道府県から学生が集まる本学にとって逆風となっています。 このような厳しい状況の中で、意欲ある高校生・受験生に本学を選んでもらうには、都留で学んでよかった、都留で成長できた、と学生が実感できるような教育を推進していくしかありません。そのために、カリキュラム、授業内容、施設設備、学生支援等、あらゆる面からさらなる教育の質の向上を目指したいと考えております。この4月には、Tsuru Humanities Center(THMC)がオープンしました。VRや3Dプリンターなど最新のデジタル機器を備えたデジタルコモンズ、より実践的な模擬授業や研究授業を可能とする小学校の現場を再現した教室、机や椅子のレイアウトを自由に変更できるPBL(課題解決型学習)やアクティブ・ラーニングに適した演習室を活用し、学生も教員も都留の新たな学びを展開していきます。 さらに、令和6年度には学部改編を予定しています。2学部6学科体制は変わりませんが、文学部は国文学科・英文学科の2学科、教養学部は学校教育学科・地域社会学科・比較文化学科・国際教育学科の4学科とし、各学部の特色を明確に打ち出していきます。同時にカリキュラム改訂を行い、副専攻プログラムを導入します。副専攻プログラムでは学部・学科の垣根を越えた学びも可能とし、例えば「デジタルシティズンシップ」のプログラムでは、どの学部・学科に所属する学生もデータサイエンスを学ぶことができます。 4年の任期を通して、教員養成・人材育成を旨としてきた本学の伝統を守りつつ、社会の変化や要請に応じて学生たちが現代社会の課題解決に取り組む力を身につけることができるような教育環境を整える施策を進めて参ります。 関係の皆様方におかれましても、なにとぞご支援ご協力下さいますよう、また、ご意見ご叱正賜りますよう、心よりお願い申し上げます。新学長・特集第15代学長として加 藤 敦 子62023年7月3日(月)

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