都留文科大学学報(第153号)
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私はこの夏、学校教育学科の堤英俊先生のゼミ(3・4年)企画の津久井やまゆり園の見学に参加させていただいた。堤先生の特別支援教育の授業の中での「行きたい人いたら一緒にどうぞ?」というお誘いに手を挙げさせていただいた形だ。やまゆり園の事件は、相模原で生まれ育ち、当時小6だった私には身近で衝撃的であった。だから、大学生になり、特別支援教育に関心を持つようになった今こそ、改めて向き合うべき機会のように思った。園は当時から建て替えられていて、施設全体は想像以上に開放的だった。園内に地域に開放された公園があったり、部屋に鍵がなかったり。また生活の場である施設の中に働く場も設けられていて、自立した生活を促す心がけが印象に残った。私は今回の見学を通して、現地に足を運び、色眼鏡を外して直接自分の目で見ることの大切さを実感した。長いようであっという間な大学生活。知りたいことや分からないことに全身を使って取り組み、一日一日を大切にしていきたい。実際に足を運んで学ぶ津久井やまゆり園見学を通して学校教育学科1年 西郷 洋音約2週間のタマサート大学短期研修プログラムを通して、タマサート大学の学生さんをはじめ多くの方々と出会い文化を知るなかで、自分が持つ「イメージ」との違いというものを多く感じた。学生さんとバディを組んで交流する中で、タイの政治に対する背景や国民観、歴史や音楽などカルチャーの話など、ネットだけでは知りえない生の話を聞くことができた。バンコクの街を歩いてみても、自分が想像した「東南アジア」のイメージとかけ離れるような発展した都市が広がり、JETRO訪問や工場見学ではタイの発展を支える産業の数々の背景や社会構造などを学ぶことができた。全体を通して自分が持っていたイメージと大きく離れた「リアル」のタイを様々な側面から知ることができた一方、新たな文化と出会う中で自分が持っている価値観というものの狭さも改めて感じた。この短期研修の良さは、自分が見ている景色をただ受け止めるだけではなく、何故そのような文化や社会ができたのか、タイに住み働く方々は何を考え、何を感じ社会に生きているのか、生の声を聞き知ることではないかと思う。タマサート大学の学生さんをはじめ研修を支えてくださった多くの方々に感謝をするとともに、自分が2週間で見て感じた経験や知識を今後の大学生活でも活かしていきたいと考える。タイ・タマサート大学短期研修プログラムから得たもの地域社会学科2年 河瀬 孔太郎やまゆり園での集合写真です。リゾートでタマサート大学のバディと共にアクティビティや伝統的文化を体験する夏季休業を利用して学外で学ぶ102023年12月4日(月)
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