都留文科大学学報(第153号)
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環境社会学ゼミは8月31日から9月2日、三重県四日市市でゼミ合宿を実施しました。前期ゼミで四日市公害について事前学習を行いフィールドワークに臨んだため、文献やネットの資料では得られない情報や体験を効率よく吸収できたと感じています。1日目は「四日市公害と環境未来館」見学と公害被害地域を実際に歩き、塩浜小学校で語り部の生の声を聞く貴重な経験をしました。夕刻、地元で若者の就労支援に携わる北勢サポートへのヒアリングも今回、新たに加わりました。2日目は四日市港管理組合による港湾機能のレクチャーを受けたのち、展望台よりコンビナートを含む四日市港を一望しました。午後は未来館解説員へのヒアリングです。3日目は四日市公害について教育実践を行う小学校教員から漫画『ソラノイト』を活用した授業を受けました。最後に振り返りの時間を設けることで、お世話になった関係者の皆様にフィードバックを行うこともできました。ゼミ合宿を通じ、同じ地域で活動する人がいたとしても、本人が「公害の教訓の継承」をする意義、その理想像は多様であることが強く印象に残りました。現地に行ったからこそ得た学びを今後の学生生活に生かしていきたいです。現地調査から得る唯一無二の経験地域社会学科3年 大友 天斗私は夏季休業期間にカナダのリジャイナ大学で、約3週間の短期語学研修に参加しました。初の海外渡航だったのですが、言語、気候、食文化や生活様式などすべてが目新しく映り、いかに自分が見てきた世界が狭かったのかを実感しました。学内やお店での英会話、リジャイナの夏期における湿度の低さ、朝食と昼食が合わさったブランチ等々、今まで生活してきた場所とは全くもって異なる環境での生活は驚きと学びに溢れていました。中でも、「会話の楽しさ」を知れたことは私にとって一番の収穫です。渡航前の私は、自分の英語の拙さ故に英語で話すことを躊躇っていました。しかし、プログラムの一つだった農場見学で農場主さんにある質問をしてから、この考えは変わりました。流暢ではない私の言葉を農場主さんは丁寧に時間をかけて拾って、ときには表現を引き出してくださり、最後には聞きたかった事を教えてもらえました。自分の言葉が伝わったときの達成感、母語が異なる人と会話ができたことへの喜びは忘れることができません。カナダでは人の温かさ、優しさに助けられながら学ぶことができました。関わってくれた方々には感謝の気持ちでいっぱいです。自分の世界から飛び出して国文学科1年車田 和可夏季休業を利用して学外で学ぶ語り部と共に公害被害地域を巡りコンビナートを肌で感じる多国籍の語学研修のメンバー11都留文科大学報 第153号
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