都留文科大学学報(第153号)
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2023年5月、山形県立米沢興譲館高校にて3週間の教育実習をさせていただきました。この度の教育実習の目標として、「生徒を主体とした授業をつくること」、「生徒との信頼関係を育み、自信をもって授業をすること」の2つを掲げ、3週間の実習に挑みました。母校である実習校の先生方にも恵まれ、高校に勤めておられる英語科8名の先生方全員の授業を見学する機会を頂きました。指導教官の先生の他にもさまざまなスタイルを持つ先生方の授業を見学できたことで、実習後半からの私自身の授業実践に先生方の技を少しばかり応用出来たように思います。さらには、授業見学の後には、授業の流れや活動の意図について先生にお聞きすることで、どのような要素を授業に入れ、どのような流れで授業を構成するかのイメージが膨らみました。実習で得た学びは大きく2つあります。1つ目は、生徒との関わり方についてです。実習前半は授業見学のみをさせていただいたので、直近の授業計画をする必要がない分、多くの時間を使って生徒との交流ができると考えていました。しかし実際は、始業してからあっという間に部活動の時間になり、一日は終えてしまいました。実習前から大学の授業で聞いてはいましたが、生徒との時間は、自分から作らないことには生まれないことを実感しました。その後の実習期間でも朝や昼休みなどの余裕はなくなるばかりで、生徒と会話をする機会を得ることに苦戦こそしましたが、「授業の後になんでも相談に来てください」と声をかけ始めたことによって、話しに来てくれた生徒を始め、徐々に多くの生徒と関係をつくっていくことができました。実習生ではなく教師として現場に出る際には、多忙な環境により今回の実習以上に生徒との関係構築が難しくなります。どのように生徒に愛情を注ぐのか、生徒と十分に向き合えているかを常々振り返りながら、生徒とのかかわりを大切にしたいと思います。2つ目は、自身の授業についてです。授業実践の初めの壁は、生徒に活動の指示をすることでした。初めの数回の授業では多くの生徒が混乱していたり、私の想定することとは違うことをしていたりという様子が教室のいたるところで見つかりました。40人を前にして授業をするにあたり、簡潔で的確な指示をすることは非常に難しいことを痛感しました。指導教官からのご指摘を頂き、生徒の活動と教師の指示を明確に分けることや、ナンバリングをした指示によって改善していくことができました。最終日の研究授業では、一度出した指示を生徒から引き出し、再度全体へと共有できたことを先生方から評価いただきました。実習の中で浮き出た課題に対し一生懸命に対処したことで、教師見習いとして成長できたのだと思います。ご多忙の中、指導していただいた先生方への感謝を忘れず、教師になるため修養を続けていきたいと思います。教師という夢に向けてクラスとのお別れで感謝を述べている一面英文学科4年今井 友輝教育実習報告142023年12月4日(月)

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