都留文科大学学報(第153号)
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私は5月15日から2週間、地元である岐阜県の特別支援学校で教育実習を行った。担当学級は小学部2年2組。知的障害を主とする5人の学級だった。2週間という短い実習期間中は、朝の会の実践と国語の授業を担当させていただいた。また、運動会という行事もあり、積極的に児童たちと関わる時間が多かった。行事も重なり、先生方も多くの業務を抱えている中で、実習を受け入れてくださった実習校には深く感謝をしたい。この特別支援学校実習で学んだことは数えきれないほどだが、その中でも深く印象に残った学びは2つある。1つ目は、児童の言動はどんな小さなことでも教員の中で共有する必要があり、そこから児童の実態が分かる、という事だ。実習1日目から先生方の様子を見ていると、どんなことでも教員同士で児童の様子を共有している様子が職員室内だけではなく、教室内や移動中などの様々な場所で見ることができた。例えば、朝にバスまで迎えに行った先生が「今日は○○くんは朝からいい表情しているから、落ち着いて過ごすことができそうだね」とか「今日は朝からあまり機嫌がよくないかな」といった様な事を様々な先生と話していた。私は先生方のそういった行動を真似て、「○○さんがこういう行動をしていたのですが、何か理由があるのですか」などと児童の気になった言動を積極的に細かく聞くことにした。すると、先生方は丁寧に答えてくれ、そこから児童の実態を詳しく知ることができ、それ以降の関わり方や授業の進め方などを考えることができた。2つ目の学びは、授業内での様々な工夫を実際に見ることができたことだ。大学の講義で学んだことを実際の現場で見ることができ、それを研究授業内で自分自身が行うことで、より深い学びになったと思う。更にそれらの工夫は、特別支援学校だけではなく通常の小学校などでも取り入れやすいものが多かった。例えば、児童たちが予定の見通しがしやすくなるように授業の初めにカードを使って説明したり、できるだけ具体物を用意して、児童にとっての日常生活と授業が結びつくことを意図した工夫があったりと、本当に様々な工夫を2週間のうちにたくさん見ることができた。担当した国語の授業では、絵本の読み聞かせでも沢山の工夫を取り入れながら行った。予定カードの使用はもちろん、読み聞かせ中でも体を使って動いたり、声色を大きく変化させてみたりと様々に行うことができたが、やはり授業は難しい。授業が難しいことを再度実感できたことも大きな学びだ。以上の2点が、特別支援学校実習で深く印象に残っている学びである。この実習で学んだことは必ず、教員になった時に必要になることである。将来の自分がどのような教員になっているかは分からないが、この実習で学んだことは自分にとって大きな成長になると思う。このような機会を与えてくれた実習校に再度感謝をしたいと思う。この経験を大切に、立派な教員になろうと感じた。特別支援学校実習を終えて学校教育学科4年西尾 奏海最終日に子ども達からもらった寄せ書き教育実習報告162023年12月4日(月)

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