都留文科大学学報(第153号)
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講演会だより2023年6月16日(金)にラジオナビゲーターやナレーターとして活躍されている、アレックス M 林氏をお招きして、「英語スピーチの5つのエレメント」というテーマのもと、講演会を行った。英語のスピーチにおいて、聞き手に自分に興味を持ってもらい、自分の意思をはっきりと伝えるために重要な5つの要素について、講演していただいた。そして、参加者も実際に前に立ち、実演したり、会場の皆で声を出したりする、ワークショップ形式で進められた。氏のナレーターやラジオナビゲーター、スピーチコンテストのアドバイザー、高校時代のオバマ元大統領との経験から様々なアドバイスを頂いた。今回、ご紹介いただいた5つの要素はSpeed, Power, Octave, Intonation, Breathである。その中でも特に印象的だったのはオクターブの変化である。ただの自己紹介でも、オクターブの変化によって、与える印象がかなり異なり、面接などで聞き手の興味をひくことができると、氏は述べた。自分の声を意識することがとても重要なことであるそうだ。同じ文章でもオクターブをはじめとする5つのエレメントを意識することで意味あいが変わってくる。スピーチのデリバリーを上達させるためには、私たちが親たちからもらった声に磨きをかける必要がある。その具体的な方法としては自分が喋っている動画を撮影し、聞くことである。その中で、「新しい自分」にであう。それらを効果的に使い分けていくことが聞き手に意思を伝えるコツだそうである。氏は面接などの大切な日の数日前には、ボイスケアをし、万全の状態にしているそうである。具体的な技術として、教えて頂いたのはArticulationというものである。意味としては(思想・感情の言葉による)表現である。これはどういった技術かというと、テストなどで与えられる課題原稿には言葉を噛んでしまう部分があり、そこを見つけ、いかに噛まないようにするかを頭で構成する。さらに、気を抜かず、最後まで気持ちを込め、思いを伝える、というものである。この例として、数名の参加者がラジオジョッキーを体験した。声色の変化の仕方などのアドバイスを頂いた。質疑応答では、数名の方からの質問に答えて頂いた。そこでも、質問者が歌を歌ってみるなどといったアクティビティを行った。実際に参加者も実演することで、これらは決して難しいものではなく、すぐにも実用できることが分かった。氏の実際の経験に基づく貴重な講演であり、参加者は終始笑顔に包まれていた。(英文学科2年 飯倉 洸成)英語スピーチプレゼンテーション~英語ナレーター・アナウンサーが教える英語スピーチの5つのエレメント~開 催 6月16日(金)講演者 アレックス M 林氏講師紹介アレックス M 林バイリンガル大学/エンジェル投資家/国際キャリア形成についての講演活動/TOIEC@全国公演活動英国リーズ大学講師、ニュージーランドの大学助教授、英国チィチェスター大学大学院 External Examinerを務めた後、現在は常磐会学園大学教授、同志社大学兼任講師を務めるバイリンガル教員。かつて米国の演劇オーディションに合格後、Los Angelesでの舞台に立ったこともある。その最高に楽しいキャラクターと優しい口調と美声が買われ、FMラジオのエアーナビゲーターやDJ、テレビのCMナレーターも担当するなど活躍の幅を広げている。202023年12月4日(月)
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