都留文科大学学報(第153号)
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大学認証評価とIR室設置の経緯都留文科大学は公益財団法人大学基準協会が実施する大学認証評価を継続的に受けており、最新の認証評価は令和2年度におこなわれた大学認証評価である。大学認証評価制度は“国による事前規制を弾力化しつつ、大学等の教育研究の質の担保を図るため、設置後の大学等の組織運営や教育研究活動等の状況を定期的に事後確認する体制を整備する観点から導入されました。評価結果の公表をもって大学等が社会的評価を受けること、また、評価結果を踏まえて大学等が自ら改善を図ることを目的としています。”2)とされている。各大学の経営や教育研究活動が各大学の裁量に任されているが、大学の教育研究活動には公的資金が多少なりとも投入されており、おこなわれた教育研究活動を社会に公表することで社会的な評価を受け、その上で自ら改善を図っていくことが認証評価制度の趣旨となっている。大学がそれぞれの教育研究活動を自ら点検し、改善していくことは大学の自治の上でも重要と考えるが、自己点検では点検の視点などにどうしても限界があることと、他大学との比較などで自分の大学の教育研究活動を客観視することも重要である。大学外の認証評価機関の認証評価をうけることで、各大学がある程度一般的な基準からみて自分の大学の教育研究活動がどうなっているかを知ることができる。都留文科大学は令和2年度認証評価結果の総評では次の課題を指摘されている。“しかし、教育情報の公表に不備がある、学習成果の把握・評価にかかる可視化が十分でないなど、改善に向けたフィードバックが十分かつ適切に行われておらず、内部質保証システムの有効性には問題があるといわざるを得ない。”この指摘に対応する方策の一つとして、他大学の例などを参考にしながら令和5年度からIR室を設置した。図2 認証評価制度の概要(文部科学省ホームページより)42023年12月4日(月)

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