学報154号
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「こんな女に誰がした」というのは、1949年に公開された日本映画であるが(監督山本薩夫)、その内容はともかく、それにあやかって「こんな世界に誰がした」「こんな日本に誰がした」「こんな○○に誰がした」と心の中で叫ばずにはいられない昨今ではないでしょうか。人生80年が当たり前の今日、皆さんの人生はまだ4分の1を過ぎたあたりです。あと4分の3をどこでどのように過ごしていくのかは様々でしょう。恵まれた環境で大過なく過ごして行けるのなら、それはそれで大変結構なことです。あるいは厳しい環境で日々格闘を重ねていく方もいるかもしれません。もしそうなったならば、日々を乗り越えるタフさをなんとか身につけたり、支え合って共に歩んでくれる信頼に足る友を作ることが必要になるでしょう。今はこんな世の中ですが、「世の中は進歩する」、「いつかはもっといい世の中になる」、そういう気概をもって、皆さんひとりひとりが、これから生きていく「場」で、少しでもその「場」を「まし」にしていけるのであれば、世界は変われるかもしれません。そう信じましょう。そして私は、皆さんがそれぞれいる「場」において確固たる存在となることを心から望んでやみません。どうか、ご卒業が新たな一歩へのしっかりとしたステップになるよう、心よりお祈りしております。比較文化学科教授伊香 俊哉これから生きていくということについて2020年、国際教育学科4期生の皆さんが入学し、私たちの小さな学科は初めて1-4年まで揃う「完成年度」を迎えました。しかしその始まりは、予期せぬ出来事により予定とは程遠い船出となりました。コロナ禍の中、オンライン授業への急な適応が求められ、その中で、皆さんは逞しく立ち向かい、新しい学びの形に柔軟に対応してきました。授業は画面を通して行われ、対面での交流が難しい状況下での学びは容易ではありませんでした。しかし、その中にも新しい友情が芽生え、共に乗り越えた困難が絆となりました。さまざまな不安の中、北欧への留学も実行され、一人ひとりがかけがえのない国際経験を積み、帰国しました。皆さんの卒業は、大学生活において直面した未曾有の試練、そしてそれを乗り越えて得た成長の証です。皆さんが掴んだ知識、磨かれたスキル、そして築いた人間関係は、これからの人生での貴重な財産となることでしょう。未来への一歩を踏み出す皆さんには、新たな挑戦、夢、そして目標が待っています。国際教育学科で培ってきた好奇心、探究へのエネルギーを胸に秘め、進むべき未知の道を歩んでください。先が見えないからこそ、自らの力で切り拓く冒険があります。そして、その冒険こそが本当の学びと成長への鍵なのです。"The world is your oyster." 世界は皆さんの手の中に広がっています。これからずっと続いて行く人生の探究が、皆さんにとって嬉しい驚きに満ちたものであることを心より願っています。卒業おめでとうございます。"This article was written with the assistance of ChatGPT, a language model developed by OpenAI."国際教育学科講師佐々木 南実The world is your oyster!おくることば122024年3月4日(月)
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