学報154号
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旅立つことば大学卒業後に進学し、「本やPCが常に身近にある」という大学院生活を過ごした。それまでの自分はずっと「スポーツ」をしており、どちらかというとグラブやバットを片手に生きてきた。元々、何かを表現することに苦手意識があったが、堂々と自分の意思を「ことば」として表現できなくても、プレーでそれを代えられるところに救われつつ過ごしてきた。院生となり、研究をさらに行う身となったが、論文執筆も行う中で特に感じたのは、「自分で『ことば』にしなければならない」ということである。時には誰かの見解を列挙して終わり、時には情報の取捨選択ができず、ただ量を稼ぐように書くなど、「難しさ」を味わった。不器用な人間であったが、学部時代に続きご指導いただいた西尾先生からは、多くの金言をいただき、修士論文をまとめることができた。何気ないと感じていた過去の経験が、気がつけば研究に大きく結びついていた、という「奥深さ」にも出会えた。器用ではないところばかりだが、手に持つものがどんなものであっても、6年間の経験を大切にしていきたい。所属専攻の先生方、院生の皆様をはじめ、ご指導、ご支援いただいた皆様、ありがとうございました。都留に来てから6年もの月日が経とうとしています。今となってはあっという間の期間で、特に大学院での2年間は充実したものであると同時に、ほんの一瞬の出来事のようにさえ感じます。私にとって都留は勉学の場であると同時に、かけがえのない経験を与えてくれた場でもあります。学内外問わず、様々な活動に参加してきた私ですが、実のところ入学当初は多くの人と関わることを苦手としていました。そんな私の変化はひとえに都留で出会った仲間たちのおかげです。仲間たちがサークル活動に打ち込む姿、興味のあることを真剣に調べる熱意ある姿に影響を受け、私も何か挑戦してみようと決意することができました。都留を飛び出し、そこで他大学の学生と議論を行ってきましたが、周囲との歴然とした実力差という大きな壁に直面しました。思い返せばその時の経験が私を院進させたのかもしれません。今でも自分の実力不足を感じることはありますが、無知だからこそ学びは魅力的なのだと感じています。最後にはなりますが、これまで教え導いてきてくださった先生方、支えてくれた家族や友人、都留で出会った皆様に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。大学院文学研究科英語英米文学専攻 佐藤 みのり大学院文学研究科社会学地域社会研究専攻 佐藤 香奈子経験に勝るものはなし「難しさ」や「奥深さ」に触れる夜の都留文お世話になった研究室19都留文科大学報 第154号
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