学報154号
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旅立つことば1年の浪人生活を経て大学に入学した私は、待ちに待った大学生活を無駄にしたくないという思いから、学部生時代は勉強、サークル、アルバイトで4年間を走り抜けました。友人たちと、流星群が見られる日はグラウンドで空を見上げたり、あてもなく深夜の都留を語りながら歩いたり、そんなあたたかい思い出が今でも私の心に刻まれています。学部の4年間は、自分の世界が広がることが嬉しかったのを覚えています。しかし、大学院の2年間では学べば学ぶほど自分の価値観と向き合い続ける勇気をなくし、答えのない問いについて考え続けることから逃げ出したくなることもありました。大学院での生活を全力で走り抜けることができなかったという思いは残りますが、大学院に進学したことには後悔はありません。これまでの人生で一番迷いや葛藤があったこの2年間、丁寧なご指導を賜りました指導教官の山本芳美先生には大変感謝しております。また、授業を通して支えていただいた先生方、励まし合いながら院生生活を共にした比較文化専攻の同期や後輩たちの存在にもいつも助けられていました。都留での6年間を胸に、4月からは日本語教師として働きます。これからも、学びを通して自分と向き合い続けることを恐れずに人生を歩んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。2022年春、3学科7研究室から集まった私たちは、教育学を修めようという清らかで猛々しい表情とともに、少し、いやしかし確実に不安と緊張を共有していました。ところが、この頃は予想だにしない2年間が展開されました。タイトルの言葉は、私たちの仲の深さを示すと同時に、並々ならぬ努力の証でもあります。私たちは日中、講義や研究指導を受けたり、仕事をこなしたりと、個々のなすべきことに励みました。とりわけ、研究指導はしばしば長時間にわたり、あるテーマを修める苦しさを味わうこともありました。しかし、大学院生活の支えとなったのは、紛れもなく同期との関わりでした。院生室で始まった議論が飲みの場に持ち込まれたり、苦しさゆえに愚痴をこぼしたり、私たちだけの関係性のなかで、私たちにしかできないやり方で支え合い、2年間を過ごしました。──20時、オギノ集合で。──真面目に研究と向き合い、支え合ってきた私たちだけの合い言葉です。最後に、学問を継続させてくれた両親をはじめ、先生方や先輩、後輩たちには心より感謝申し上げます。そして、同期に問います。次は何時に、どこ集合ですか。教師仲間へと変容する私たちの物語の続きを、早く見たいものです。大学院文学研究科臨床教育実践学専攻 牧野 諒太大学院文学研究科比較文化専攻 佐々木 二葉20時、オギノ集合で。走り抜けた4年間と悩み続けた2年間河口湖紅葉まつりにてサークルの同期たちと桂川祭にて(2019年、大学2年生)202024年3月4日(月)
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