学報154号
4/52
特集:学部改編とカリキュラム改訂および副専攻プログラムについて 本学では、令和6(2024)年度から、従来4学科で構成されていた文学部を国文学科と英文学科の2学科、2学科で構成されていた教養学部を学校教育学科、地域社会学科、比較文化学科、国際教育学科の4学科の構成に改編し、あわせて、共通教育および各学科のカリキュラムを改訂します。また、全学、各学部の目的をあらためて明示し、各学科の3ポリシーも更新します。 文学部では、教育内容、研究方法において共通性の高い2学科で構成されることにより、ことばの営みについて、時間、空間を超えて探究するという学びの中心が明確になりました。教養学部では、異なる特徴をもつ4学科が連携することにより、多様性をもち変化を続ける世界を知り、探究し、見出される問題を解決する力を養う体勢が強化されました。全学の目的にも、各学科のディプロマポリシーにも示されているように、大学4年間の学びをとおして、生涯にわたって学び、探究し、成長し続ける人を育むということを教育の目的に据えています。 各学科とも、1、2年次においては、それぞれ専門性の高い探究をする基盤となる知識、技能を幅広く習得することが中心となります。そこで重視されているのが、演習、実習等の学生が主体的にまた互いに協働して実践を重ねる学びです。それが、3年次以降のいわゆるゼミにおいて実践的に探究、研究を深め、また、学生が主体的に課題を設定して卒業研究をすすめ、集大成としての卒業論文を作成することへとつながっていきます。 各科目の学びの成果を確実に定着させるために、1年度に履修できる単位の上限を従来より引き下げて、各学科とも48単位とします。なお、一定の要件を満たす学生には、教職の副免許や諸資格の取得に必要な科目について、各年次で8単位までの追加履修を可能とします。また、卒業に必要な単位は各学科とも124単位とし、共通教育科目のうち、教養科目は12単位必修、共通外国語科目は8単位必修とします。このような従来よりも限られた科目数の履修によって豊かな学びの成果が得られるように、授業科目を精選、統廃合するとともに、世界の多様化に対応できるよう科目を新設しました。また、卒業要件として、各学科の選択科目に教職科目、資格科目を含めることができるようになり、それによって、学生の履修の自由度が増します。 このように要件が整えられ、自由度が高くなったカリキュラムにおいては、ある程度限られた科目履修のなかで各自の学びの目的が達成できるよう、学生が主体的に計画を立てて履修をすすめていくことがますます重要となります。まず、学生が自らの学びの目的を明確にし、どのような課題に向かって専門的な探究を深めていくのかを明確にすることが大切でしょう。そのうえで、将来の進路も見据えて、教職免許、諸資格の取得をめざす場合は、それに応じて履修計画を立てることになります。また、中心となる専門的な学び、探究のほかに、興味、関心のある分野において学びを深め、体系的な知識、技能を身につけることができるよう、10のTsuru副専攻プログラムを設けます。これらも、計画的な履修の指針となるでしょう。 Tsuru副専攻プログラムには、すでに実績のあるジェンダー研究プログラム、環境ESDプログラムが含まれています。一方、新たなプログラムのうち、デジタルシティズンシッププログラムは教養科目に新設されたデジタルシティズンシップ科目群が基軸となっており、フィールド・ミュージアムプログラムは教養科目のうち、地域交流研究科目群から更新されたフィールド・ミュージアム研究科目群が基軸となっています。前者はこれからの時代に対応する情報科学、後者はさらなる充実をめざす地域研究を内容とする教育の実践です。文理の垣根を越えて新しい教育のあり方を追究するTSURU-STEAMプログラムもあります。これらの教育を実践する場として、今年度供用が開始されたTHMC、来年度新築予定の都留フィールド・ミュージアム(仮称)の施設が利用されていくことになります。その他のプログラムも、共通教育科目、各学科の専門科目を目的に応じて有機的に結び構成されています。Tsuru副専攻プログラムそれぞれの内容については、別に作成されたパンフレットに掲載の記事を基に記しておきます。副学長(学生・教育担当) 佐藤 明浩42024年3月4日(月)
元のページ
../index.html#4