大学報155
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国際教育学科に着任した畠山勝太です、どうぞよろしくお願いします。これまで世界銀行・ユニセフで10年勤務して大西洋を行き来しながら英語圏アフリカ・南アジアの教育支援に従事して、国際機関の職を辞してアメリカで博士号を取得した後は内閣府でPKO活動支援や紛争地での幼児教育支援の研究をしていました。また、現在もネパールで教育支援のNGOを運営しています。私の専門は、国際比較教育学・教育政策になります。具体的には、主に低中所得国で公平・効果的・効率的(Equitable・Eective・Ecient、頭文字をとって3E)な教育政策を実現することで、貧困の無い平和で自由な社会を目指す研究を行っています。これまで論文で扱ったトピックは障害児・幼児・スラムに住む子供達・児童労働に従事する子供達で、マージナライズされやすい子供達の教育へのアクセスや学びを、計量(因果推論)・定性手法を用いて研究しています。私は岐阜で生まれ育ち、ジンバブエ・マラウイ・ネパールなどで仕事をしてきて、山梨県の大学に着任しました。これらの地域に共通するのは海が無いという点です。港が無く交易条件が悪いからこそ人的資本の蓄積が肝要なわけで、「人は城、人は石垣、人は堀」を具現化するような教育をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。藤井翔太と申します。テンプル大学ジャパンキャンパスでの勤務を経て、今年度、本学国際教育学科に着任いたしました。私の関心領域は、応用哲学や教育哲学です。哲学といえば、存在論、認識論、倫理学などの領域を含む、基本的な概念や規範を根本的に問い直し、吟味する営みだとされます。こうした抽象的な議論や探求は、日常生活との関わりが薄く、物好きや世捨て人のための知的なパズルにすぎない、と言われたりもします。しかし、哲学のことを専門的なトレーニングを受けた一部の人のための娯楽だと捉えるのは、実にもったいないだけでなく、哲学観としても狭量かつ不正確だ、というのが私の考えです。社会的属性にかかわらず、日々の暮らしの中で生起する何気ない出来事について素朴な問いを抱き、それをごまかすことなく誠実に省察する人々は、すでに〈哲学者〉だと言えるのではないでしょうか。そうした省察的な生き方をする誰しもにとって、伝統的な哲学者たちの議論は有用であるとともに、制度上の哲学者たちもまた、自分たちの知的営為のあり方について、〈哲学者〉の姿から学ぶ契機を得ることになるはずです。教育とは、自律とは、幸福とは、自己とは――こうした問題を真に問う、都留文の〈哲学者〉たちの探求に寄り添い、サポートするのが楽しみです。NGOの仕事でネパールの女子大学院で講義をしている様子訳書『アメリカ哲学入門』刊行記念イベントの様子国際教育学科 准教授畠山 勝太国際教育学科 講師藤井 翔太着任のご挨拶なぜあなたはすでに〈哲学者〉かもしれないのか文大に着任するにあたって13都留文科大学報 第155号
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