大学報155
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新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。都留文科大学の教員・職員を代表して、みなさんのご入学を心よりお祝い申し上げます。また、ご家族の皆様にも心よりお慶びを申し上げます。2020年初めから世界中に広がった新型コロナウィルスの感染は、まだ完全に終息したわけではありませんが、昨年度から大学における活動は、コロナ以前とほぼ同じ水準で行えるようになりました。キャンパスで自由に学び、部活・サークル・バイトに励むといった、都留での豊かなキャンパスライフはもちろん、海外への留学や語学研修も再開しています。本学でみなさんが充実した大学生活を送ることができるように、教職員一同、全力でみなさんを支援していきます。都留文科大学は、1953年に設立された山梨県立臨時教員養成所から始まりました。第二次世界大戦後の、特に地方での深刻な教員不足に対応するためにつくられた、臨時の教員養成所でした。1955年、教員養成所が都留市立の短期大学となり、さらに4年制の都留文科大学となって今に至ります。来年2025年には短期大学創立から70周年を迎えますが、本学がそのルーツから、教員養成という日本の将来を担う子どもたちを育てるための人材育成を目的としていたこと、また、都留市の市立大学として創設されたこと、この2点は今も都留文科大学の根幹です。今日から都留文科大学の学生となったみなさんにも、ぜひ覚えておいてほしいと思っています。さて、今日はここでみなさんに、都留文科大学で何を学んでほしいか、どう学んでほしいかをお話したいと思います。この4月、みなさんの入学と同時に、本学では学部・学科を改編し、新しいカリキュラムをスタートさせました。カリキュラムとは、みなさんがこの大学で、学びの目標を達成するために何をどのように学ぶかを定めた総合的な計画です。今年度から始まる新しいカリキュラムでは、みなさんが所属する各学科の専門分野をこれまで以上に効果的に、体系的・段階的に学ぶことができるようにしました。一方で、専門分野について必ず学ばなくてはいけない必修の内容を厳選し、みなさんが自分の興味関心に応じて、また、将来のキャリアを見据えて、幅広く選択的に学ぶことができるようにしました。新しく設置した副専攻プログラムでは、学科の枠をこえて幅広く実践的に学ぶコースも用意しています。つまり、新しいカリキュラムで、みなさんは2つの方向へ成長することが求められています。1つは、自分の専門分野について、体系的に学び、必要な知識や能力を身につけること。もう1つは、自分の興味関心や将来のキャリアを考えて、学科や専門分野の枠をこえて、何を学ぶか自分で選択し、幅広い知識や実践的な能力を身につけること、です。なぜこのようなカリキュラムなのでしょうか。今からおよそ10年前、2013年にオックスフォード大学の研究者マイケル・オズボーンが発表した「雇用の未来(THE FUTURE OF EMPLOYMENT)」という論文は世界中に大きな衝撃を与えました。オズボーンは702の職種について、コンピュータ化がどのような影響を与えるかを分析し、702のうち404の職種が10年後に50%以上の確率でなくなる、コンピュータにとって代わられる、と予測しました。その後、コンピュータや人工知能AIにとって代わられる職業の研究はブームとなり、日本での雇用の未来も論じられてきました。みなさんもそうした話を聞いたことがあるかもしれません。自分の仕事、自分が将来就こうと考えている仕事が10年後、20年後にはコンピュータにとって代わられ、なくなっているかもしれないというのは深刻な話です。この論文の発表から10年が経ち、オズボーンが80%~90%の確率でなくなると予測した職業学祝長辞都留文科大学入学式 都留文科大学入学式 ――今年の入学者は931名――今年の入学者は931名都留文科大学 学長 加藤 敦子22024年7月8日(月)
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