大学報155
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いつになく足早に訪れた春の祝福を受けているような、この佳き日に、伝統ある都留文科大学の入学式を迎えられたことを、大変嬉しく思います。私たちがこの場にいられるのも、ご指導くださった母校の先生方、家族や友人たちなど、多くの方々の支えのおかげです。この四年間の大学生活を、実りある素晴らしいものにするために、日々精進したいと思います。今年の1月1日に起こった能登半島地震では、数多くの方が被災され、今も避難生活を続けられている方が大勢います。私たちの同世代には、被災する中で、受験を迎えた人もいることと思います。被災された皆様が、一日も早く元のような生活に戻られることを、心より願っております。世界に目を転じると、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルとパレスチナの紛争も続いており、国際情勢は大きく揺らいでいます。その中で、学ぶ機会を奪われている若者も大勢います。こうした状況に想いを馳せる姿勢も大事だと感じています。このように不安定な世界情勢の影響は、気付かないうちに私たちの生活にも及んでいます。また、私たちの生きていく社会は、高度情報化による新たなコミュニケーションツールの普及やリモート化、更なるグローバル化が進んでいます。その一方で、少子高齢化や地域社会の人口減少、都市部への一極集中による地方の過疎化など、様々な課題が山積しています。混沌とした状況の中で、社会は、目まぐるしく変化していきます。それに対して、私たちが学ぼうとする、教育や地域社会などの学問も、新たな考え方や方法を取り入れていく必要があります。その一方で、変わることのない部分も持っていると考えます。その両方向から、学びを深めていく姿勢を大切にしたいと思います。これからの時代、私たちは多くの課題に立ち向かっていかなければなりません。そのために、大学で専門分野を探究するとともに、幅広い知識・教養を身につけたいと思います。同時に、全国各地から集まる学生の皆さんや、地域の方々との交流を通して、コミュニケーション力・人間力を高めたいと思います。そして、自ら考え、周囲の意見を尊重して判断し、積極的に行動する実践力を磨いていきたいと思います。今、この場にいる新入生は、それぞれが、異なる夢や目標を持って、都留文科大学での学びに臨みます。大きな期待を胸に、この恵まれた環境のもとで、共に切磋琢磨していきたいと思います。そして、未来を見据えた高い志を抱いて、一日一日を大切に過ごしていくことを決意し、新入生のことばといたします。やわらかな風に包まれ、春の訪れが感じられる、この佳き日に、伝統ある都留文科大学に入学できることを、大変嬉しく思います。私たちがこの日を迎えることができたのは、母校の先生方のご指導や家族、周囲の友人たちからの支えがあったおかげです。皆さんの思いに感謝しながら、これからの大学生活を有意義に送りたいと思います。 今年の1月1日、能登半島を中心とする大地震が発生し、お正月の穏やかな雰囲気を一変させました。家屋が倒壊したり、津波に流されたりする光景が、今も目に焼き付いています。多くの尊い命が失われ、避難生活を続けられている方も大勢います。被災された皆さんの話をニュースで聞くと、本当に胸が痛みます。このような自然災害が続く中で、私たちは、社会の一員として、被災された方々をどう支えていくのか、私たち自身もどう備えていくのか、考えなければなりません。 世界に目を向ければ、ロシアのウクライナ侵攻に続いて、パレスチナ・イスラエル戦争が起こりました。どちらも、未だ停戦の兆しは見えず、犠牲者が増加し続けるばかりです。ニュースで流れているガザ地区の現状は、日本では想像もつかないことばかりです。改めて、戦争の恐ろしさを痛感しています。私たちは、これらの問題にも目を背けず、向き合っていくべきだと思います。 このように、日々、目まぐるしく変化する時代に、私たちは立ち向かっていかなければなりません。ICTの進歩によって、多くの障壁が取り払われ、私たちの生活も、常に世界の動きから影響を受けています。 一方で、コロナ禍以降、少子化は更に加速し、高齢化率も高まっています。地域社会の人口減少も著しく、私たちが直面する課題は数えきれません。このような急激な変化に対して、積極的に挑み、柔軟に対応できる行動力を身につけていくことが、求められているのだと感じています。 都留文科大学には、全国各地から学生が集まり、表情豊かな四季折々の自然の中、経験豊かな先生方のもとで学ぶことのできる、恵まれた環境があります。その中で、専門分野の高度な知識を身につけ、教養を深めていきたいと思います。同時に、サークル活動やフィールドワークを通して、様々な経験を積むとともに、互いに切磋琢磨しながら、人間的にも一層成長していきたいと思います。 そして、それぞれが夢を実現し、社会に貢献できるよう、一日一日を大切に、精進することを決意し、新入生のことばといたします。 新入生のことば新入生のことば教養学部 比較文化学科  新入生代表 佐藤陸翔 教養学部 地域社会学科 新入生代表  勝俣美姫5都留文科大学報 第155号

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