学報156-1
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教育実習報告 2024年5月に母校の高校にて2週間の教育実習を行いました。授業では古典を教えました。2週間の教育実習の中で特に授業づくりについて学びを得ることができ、短い期間ではありましたが自身の成長を感じることができました。 授業づくりでは主に以下の三つのことが大切だと学びました。一つ目は「授業で何を教えたいかを明確にすること」、二つ目は「どのような発問をするか」、三つ目は「いかに生徒に考えさせるか」です。 一つ目の「授業で何を教えたいかを明確にすること」は、授業準備の一番初めの段階で大切になってくることです。それが授業の骨組みになります。教える教材のどこに面白さがあり何を教えるのかを、教材をよく研究し自分で考えることで、ただ教材の内容を教えるのではなく、教材を通して様々なことを教える授業ができるようになります。実習先の指導教官からも「授業の技術面は向上させるために時間を要し、急にできるようになるものではないが、授業で何を教えたいのかという核を持つことは授業の技術とは関係がなく今からでもできることであり、授業づくりにおいて一番大切なこと」だと教えていただきました。 二つ目の「どのような発問をするか」は、「生徒の興味を引き付ける発問かつ、多様な意見が出る発問」を考えることが大切だと学びました。授業は教師が一方的に教え込むのではなく、生徒が教師の発問について自分たちで考えることで生徒主体の授業をつくっていくことができます。教育実習の授業準備では、発問を考えることに多くの時間を費やしました。 三つ目の「いかに生徒に考えさせるか」は、授業準備の段階ではなく、実際に授業をする際に大切になることでした。教育実習中は、「何を教えたいか」「どのような発問をするか」を意識して授業準備をし、授業に臨みました。発問をした後はペアやグループで考えてもらいました。しかし、用意した発問に対して誰も答えてくれませんでした。誰も答えてくれない沈黙に耐えられずに、自分で発問の答えを言ってしまい、生徒に考えさせる授業ができませんでした。そうすると、ただ教師が一方的に喋る授業になり、授業に山場をつくることができず単調な授業になりました。眠くて寝てしまう生徒もいました。そこで、研究授業ではその反省を活かし、何としてでも生徒から意見を聞き出すという気持ちで授業に臨みました。最初はいつも通り、発問に対して考えてもらっても生徒は自信がなく答えてくれませんでした。そこで「ここは皆に考えてほしい、もう一度頑張って考えてみよう」という旨の声掛けをして、自分では答えを言わず、生徒に考えさせました。そのようなことを繰り返していくうちに話し合いも活発になり、生徒から意見が出てくるようになりました。そうすると授業が単調ではなくなり、どの生徒も上を向いて真剣に授業に参加してくれるようになりました。 ご多忙の中ご指導くださった先生方には深く感謝しております。教育実習で学んだことを活かし、さらに自己研鑽を重ねていきたいと思います。生徒からの色紙教育実習での学び国文学科4年 庄司 莉澄13都留文科大学報 第156号
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