学報156-1
15/32

教育実習報告 私にとって母校での教育実習は、人生で1番濃い4週間でした。令和6年9月2日から9月27日、私は浜松市の小学校で教育実習を行いました。実習期間中は、毎日が新しい発見、新しい学びの連続で、一息つく暇もないぐらい多忙で充実した日々でした。実習中の様々な思い出や子どもたちの元気で明るい笑顔がよぎる今日この頃、ここでは、学習指導と教師としての2点から、教育実習での学びを振り返っていこうと思います。 まずは、学習指導です。実習中は、指導教諭の先生、専科の先生、初任の先生等、多くの先生方の授業を参観させていただきました。先生方の落ち着いた様子で、子どもの発言に耳を傾け、状況に応じて活動や指示を変更する臨機応変さから、目の前の子どもの実態に合わせた緻密な教材研究を重ね、子どもと一緒に授業をつくることの大切さを学びました。私の担当学級は1年2組、在籍人数35名の子どもたちです。先生方の授業技術を参考にさせていただき、実習2週目から計12回の授業実践に臨みました。その中で、授業の時間配分、子どもたちへのノート指導や作業指示の難しさを感じ、発問や指示の視覚的支援や板書の重要性を学びました。集大成である研究授業では、今までの反省を生かし、入念に教材研究をして、授業の流れを完璧に掴んで挑んだつもりでしたが、多くの反省が残る授業となりました。授業後、指導教諭の先生から、授業の講評とともに「自身の中で100点満点の授業は今までに一度もない。学び続ける姿勢を常に持ちたいと思っています。」と助言していただき、そのお言葉が励みとなりました。私も、反省から学ぶことを怠らない教員を目指します。 次は、教師としての学びです。実習中、私が先生として子どもたちに何かを教えるよりも、子どもたちから学ぶことの方が多く、元気や笑顔も子どもから沢山分けてもらいました。また、実習期間が音楽会と重なっていたこともあり、子どもの成長や直向きに取り組む姿勢にも触れることができました。練習に前向きに取り組めなかった子どもが、自分の気持ちと葛藤しながらも本番を迎える姿、本番でやり切る姿は、特に印象的で感動しました。そんな子どもたちが実習最終日、「ありがとうの会」を開いてくれました。最後の貴重な時間を、愛しい1年2組の子どもたちと楽しく過ごせてとても幸せでした。お別れは、多くの子どもが涙を流しながら大号泣で「ありがとう」を伝えてくれました。そんな様子から、4週間一緒に過ごしてきた時間の中で、私も1年2組の子どもたちに何か残してあげることができたかもしれないと思うと、とても嬉しく自然と涙が溢れました。 子ども1人1人に寄り添い、小さなことでも子どもの成長や頑張りを、常に笑顔で褒め称えておられる指導教諭の先生の姿は、まさに私の理想とする教師像でした。小学生の頃から憧れていた夢の「教師」という第一歩を、母校の魅力溢れる先生方のもとで経験することができたこと、何よりも感謝の気持ちでいっぱいです。その気持ちを忘れず、教員採用試験、その先の教職人生に向けて、さらに見識を広めていきます。教師への第一歩学校教育学科3年 古橋 美菜実習最終日、お別れ後の教室15都留文科大学報 第156号

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る