学報156-1
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はじめに 都留文科大学副専攻プログラムが2024年度から始まりました。カリキュラムにさまざまな学びがある中で、学生たちが「何を学んでいくか」を見据えながら履修科目を選んだり、学んだことを振り返って、「何を学んだか」を可視化し、社会に示していくための新しい仕組みとなっています。副専攻プログラムの概要 都留文科大学副専攻プログラムは、2024年度入学生から適用される新カリキュラムにおいて、特定テーマの科目群を指定して副専攻コースとし、卒業までにコースの全ての単位を取得した学生に対して、卒業時に大学から副専攻修了証にて副専攻修了を認定する制度です。副専攻とは、学科の専門科目を学び学位として認定される主専攻とは別に、大学独自に学生の学びを認定する制度であるため「副専攻」という名称になっています。副専攻プログラムの狙い 先に示しましたが、副専攻プログラムの主な狙いは大学で何を学ぶかの選択にテーマを示すことと、学んだことの可視化です。大学には専攻として学び卒業論文まで執筆して学ぶ主専攻の他に、共通教育科目や自由に選択できる科目、コースが用意されています。これまでのカリキュラムでも選ぶことはできましたが、その科目で学べることを一つ一つの科目のシラバスを確認しながら選ぶ必要がありました。副専攻のコースであれば学びたいテーマに沿って科目を選ぶことができます。次に学びの可視化です。主専攻は卒業論文や学位記などで学んだことを明確に示すことができますが、共通教育科目や自由選択科目で何を学んだのかを示すことは困難でした。副専攻プログラムでは修了証や取得見込み証明書などにより、大学での学びを社会へ明確に示すことができます。現在10の副専攻プログラムが開講されています。ぜひコースを選択し自分の学びを自分で組み立ててください。スタート時の状況 令和6年4月からスタートした副専攻プログラムの状況について、私が一部科目を担当しました「デジタルシティズンシッププログラム」「フィールドミュージアム研究プログラム」について紹介したいと思います。2つのプログラムはどちらも教養科目に位置づけられており、全ての学科の学生が選択、履修することが可能です。令和6年度の新入生からスタートなので、現状は新1年生が前期に履修した状況となります。デジタルシティズンシップおよびフィールドミュージアム研究の両方で入門的科目として「デジタルシティズンシップ入門」「フィールドミュージアム入門」という科目が設定され、できるだけ最初に履修することが勧められています。令和6年度デジタルシティズンシップ入門の履修登録は24名、フィールドミュージアム入門は29名が履修登録をおこないました。デジタルシティズンシップ入門では「デジタルシティズンシップ」とは何かという理解を目的とし、社会のさまざまな課題解決でICTを活用していく姿勢、意識を育てることを目標としました。履修生に対して、地域の課題解決のためにどんなICT活用が想定できますか?という課題を出したところ、都留市の地域情報発信の上でVRやGISの活用などのアイデアが出されました。また科目履修後、山梨県主催の「大学生DXリーダー育成研修」に参加してさらにスキルを磨く学生も出ており科目の目標が達成できたと考えます。フィールドミュージアム入門では、現在地域交流研究センターで地域を題材にした学習プログラムを実施している教員が、2回程度を担当するオムニバス形式で開講され、学内の植物の葉を採取してそれについて調べるMy leaf 図鑑づくりや料理を実際に作って食べてみるなど、フィールドワークなどを通して、フィールドミュージアムの幅広さや楽しさを知ることができました。どちらの科目もほぼ全員毎回出席があり、副専攻コースの次の科目履修に繋がっていくことができました。副専攻プログラムで学ぶことが明確化されたことで、学生の学習意欲が高まっていると感じることができたと感じています。今年度は初年度ということで学生も担当教員も手探りでしたが、来年度以降の科目に向けて今年度の科目の振り返りを現在おこなっています。学びの可視化―都留文科大学副専攻プログラム学長補佐 日向 良和特集7都留文科大学報 第156号
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