学報157
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おくることば ご卒業おめでとうございます。4年間勉強に部活によく頑張りました。そして、大学生活を通じてたくさんの仲間ができましたね。大学での友は社会に出て困難な場面に出くわした時に、助言をくれたり、慰めたりしてくれる大切な存在です。もちろん地元の友人も大切ですが、大学の友は志を同じくする仲間で、同じような職種に就職する人が多くいます。職場で同じような悩みやトラブルにあっているかもしれません。もちろん、職場内で解決できれば良いのですが、そう簡単にはいきません。是非、職場以外の友と交流を図り、色々な意見を聞ける人脈をこれからも大切にしてください。大学の友は生涯を通じた大切な仲間です。 これまでは授業を受ける受け身の姿勢でした。しかし、これからは積極性が求められる社会人になります。いろいろ失敗もするでしょう。その時に大学生活を思い出してください。友と共に困難を乗り越えて前進してきたのではありませんか。時には後ろを振り返り、失敗しながらも先を目指す。仲間と共に前に進む。社会人になると問題は一人で解決する必要があるかもしれませんが、大学時代を思いだし、勇気を持ってチャレンジして行ってください。 友達とお別れするのはさみしいことですが、これから新たにスタートする社会で、皆さんは様々な分野で活躍されることと思います。大学の仲間を思い出しつつ、社会人として次のステージでのご活躍を期待しています。悩みがあったらいつでも戻ってきてお話を聞かせてください。大学との絆は生涯の宝物です。 卒業おめでとうございます。私が都留文科大学に着任してからの2年間、皆さんが学びに真摯に向き合い、考えを深め、成長していく姿を見守ることができたことを心から嬉しく思います。今年は、初めて卒業論文を指導する機会をいただき、皆さんとの対話を通じて、私自身も多くの刺激を受けました。 大学での学びは、単なる知識の集積ではなく、それによって視野を広げ、新しい問いを立て、それについて考え続ける力を育むものです。この2年間、皆さんは「言葉」という軸を通じて、まさにこのプロセスを繰り返し、それぞれの形で学びを深め、自分自身を磨いてきました。言語学では言葉を可能にする構造や仕組みを探り、文学では言葉が生む物語を通じて人間や文化を見つめ直し、英語教育では言葉を次世代へ伝える術を模索してきました。これらの経験が、きっと皆さんの未来を力強く支える財産になるはずです。 これからの人生には、挑戦や予想外の課題が待っているかもしれません。しかし、それらは皆さんの学びを生かす機会でもあります。もし迷うことがあれば、大学で過ごした日々を思い出してください。ここで得た知識や経験は、未来を切り開く助けとなります。そして、母校はいつでも皆さんを迎える場所であり続けます。新しい問いに挑む中で振り返りたくなったときには、どうぞ訪れてみてください。 皆さん一人ひとりの未来が希望に満ちたものであることを心から願い、これを「送ることば」といたします。学校教育学科教授 中川 佳子英文学科講師 堤 博一大学生活の宝物問いとともに歩む122025年3月10日(月)
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